パーキンソン病の薬 やめさせたい

パーキンソン病の薬 やめさせたい
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Q.78歳の母が足を前に出しにくい、
表情がないなどの症状で神経内科を受診しました。
パーキンソン病と言われ、1年ぐらい薬を飲んでいますが、
症状は変わらないように見えます。
転倒したこともあり、認知症も進んで歩けなくなり、
自分からほとんど話さなくなりました。
薬をやめたいと思っているのですが、今以上に悪くなるでしょうか。(45歳女性)


A.急な中止 悪性症候群のおそれも
織茂智之先生 関東中央病院神経内科部長


パーキンソン病は手足が震える、筋肉が硬くなる、動きが少なく鈍くなる、
姿勢のバランスがうまく保てないなどの運動症状と、便秘や立ちくらみ、抑うつ
睡眠中に突然大声を出したり急に起き上がってしまったりするレム睡眠行動障害、
嗅覚低下などの非運動症状がみられる病気です。


パーキンソン病と同じような運動症状を示す他の病気を
まとめてパーキンソン症候群といいます。
足が前に出にくい、表情がないなどはパーキンソン病
パーキンソン症候群の両方にみられる症状です。


治療を始めて1年くらいで転倒が多く、
認知症が進行しているというのはパーキンソン病らしくありません。
まずパーキンソン病かそれ以外のパーキンソン症候群かを区別する必要があります。
非運動症状の有無を調べるほか、脳のMRI検査と
心臓の交感神経の障害をみる検査が参考になります。


また、パーキンソン病の薬は吸収が悪いと十分な効果が表れにくいことがあります。
その場合はもう少し増量して、効果を確認することがあります。


薬を急にやめてはいけません。
悪性症候群といって生死にかかわる重大な症状を引き起こすことがあります。
薬の減量・中止については、必ず担当医と相談して下さい。
(2015年3月28日 読売新聞)