柴胡加竜骨牡蛎湯

【漢方のちから】(1)被災地で 不安、高血圧…複数症状に対応
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110726/bdy11072608120003-n1.htm


「余震が来ると、ドキドキしてきて怖くて落ち着かなかった。
ずっと手に汗握る感じで、夜勤の仕事も集中できなかった」
福島医大病院の看護師、Nさん(41)は、大震災から数日たっても
不安で落ち着かない状態が続いていることを、病院の渡辺久美子先生に相談した。
Nさんは、もともと少し血圧が高く、この時期も140/100だった。


不安や動悸、高血圧の症状があることから、渡辺先生は
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこか りゅうこつ ぼれいとう)を処方した。
1日3回飲み続けたところ、5日目ぐらいに動悸がなくなり
血圧も上が120、下が70と正常値まで下がった。


渡辺先生は
柴胡加竜骨牡蛎湯は、不安や不眠症状がある高血圧症に効果があるとされており
Nさんの症状にぴったりだと思った。
震災後、同様の症状がみられた外来の人にも処方したが、この人にもよく効いた」
と振り返る。


渡辺先生は震災後、避難所で生活する被災者の健康チェックも担当した。
そこでよく処方したのが桂枝茯苓丸
狭い場所で長時間同じ姿勢でいることを強いられる避難所では
エコノミークラス症候群(肺塞栓)の発症が心配されていた。
特に津波に遭い、泳いで逃げる途中にさまざまな障害物にぶつかり
打撲や外傷を負った人たちは、発症のリスクが高い。
桂枝茯苓丸は更年期でのぼせやめまいなどの症状のある人によく使われる薬だが
打撲や腰痛、皮下出血などの症状にも効果がある。