Q. 下記の症例に用いられた方剤は?
強い月経痛、肩こり、のぼせがほぼ消失した1例
大澤 稔先生(前橋赤十字病院 産婦人科)
http://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/278/handbook-278.htm
[症例]45歳、女性
[主訴]
(A)月経困難
(B)のぼせ(ホットフラッシュ)
(C)肩こり
[既往歴]特記事項なし
[現病歴]最終出産後(10年前)から月経困難、この1年で(B)(C)が顕著に。
更年期障害の心配、ならびに使用するNSAIDの量も増えたため当科へ。
[現症]体温:36.3度、血圧:138/88mmHg
初診時のエコーで子宮前壁に径1cm大の子宮腺筋症確認
[治療]◆◆◆◆◆7.5g/日分3を処方。
[経過]投与後3日程で(B)(C)がほぼ消失。
また2週間後の月経で(A)も著明減少、NSAIDもほぼ不要となった。
もともとあった下半身の冷えの自覚もだいぶ楽になった。
現在は5.0g/日分2に減量して継続中。
[考察]◆◆◆◆◆は『のぼせ』を主体として起こる
『身体症状(痛み・こりなど)』に有効な薬剤である。
本剤は体格にとらわれることなく、広く使える薬で、
特に全身の微小循環障害の解消にも役立つとされる。
よって子宮内膜症・腺筋症、子宮筋腫による器質的な月経困難
(微小循環障害がほぼ存在する)にもある程度有効である。
Anser
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
桂枝茯苓丸
(25)桂枝茯苓丸は、
瘀血(微小循環障害)に基づく症状全般(主に痛み・こり)への効果はもちろん、
併用薬の効果を高める作用もあります。
例えば、月経困難症の患者に桂枝茯苓丸を使用することで
NSAIDの減量に成功する例をしばしば見かけます。