SU薬

SU薬処方、4つの注意点
岩岡秀明先生(船橋市立医療センター代謝内科部長)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/iwaoka2/201105/519831.html


日常診療では、以下の3つの指標によりインスリン分泌能を評価・判定するとよい。


(1)HOMA-β(インスリン分泌能の指標)
 HOMA-β=〔空腹時インスリン値(μU/mL)×360〕÷〔空腹時血糖値(mg/dL)−63〕
・50%以上:正常 
・30%以下:インスリン分泌能低下


(2)Cペプチド(CPR)インデックス
 簡単に計算できること、高血糖時でも使用可能なことから有用な検査法である。
・1.2以上  食事療法のみで治療可能な場合が多い
・0.8〜1.2  経口血糖降下薬で治療可能な場合が多い
・0.8以下  インスリン療法が必要な場合が多い


(3)非肥満
 一般に、非肥満型ではインスリン抵抗性改善薬の効果はあまり期待できない。


上記3つの指標のうち1つ以上を認める患者は
インスリン分泌能低下主体型」であると判断し、SU薬を使用する。


SU薬の血糖降下作用は
様々な経口血糖降下薬の中で最も確実で、HbA1cで1〜3%低下する。


肥満もあり、中等度以上の高血糖空腹時血糖値200mg/dL以上)がある症例では
インスリン抵抗性改善作用も期待されるグリメピリドが第1選択薬になる。


70歳以上の高齢者では低血糖に特に注意する必要があり
最も強力なSU薬であるグリベンクラミドの使用は、なるべく避けるべきである。


高齢者(70歳以上)は潜在的に腎機能が低下しており
遷延性の低血糖(3〜4日間以上遷延する場合がある)を来しやすく
時に致命的となる場合がある。
そのため、家族に対してsick day時の低血糖の予防法・対処法を十分に指導する。
「食事が食べられない時には、血糖降下薬を飲まないこと」を
本人と家族に徹底させることが重要である。


高齢者にはSU薬よりも超速効型インスリン製剤の方が
より安全であることを念頭に置くべきであろう。