「元気が出ない」「だるい」…成人女性に多い橋本病 甲状腺機能の血液検査を
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2014070102000189.html
甲状腺専門の伊藤病院(東京都渋谷区)の伊藤公一院長は
「珍しい病気ではないが、気づきにくい。
更年期症状やうつ病と間違われたり、認知症と誤診されたりすることもある」と話す。
甲状腺は、喉仏の下にある臓器。
海藻類などに含まれるヨウ素を材料にして、
人間の元気の源である甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌する。
この甲状腺に慢性的な炎症が起きるのが「橋本病」だ。
ストレスや出産など何らかの原因で自己免疫システムが崩れ、
甲状腺を異物として攻撃する抗体ができる。
攻撃され、炎症を起こした甲状腺は硬く腫れる。
深刻化すると働きが低下して、甲状腺ホルモンの分泌量が減少。
新陳代謝が低下し、全身の活力がなくなったり、臓器の働きが弱まったりする。
便秘や体重増加、生理不順、寒がりなどの症状のほか、無気力で疲れやすくなることもある。
聖路加国際病院内分泌代謝科部長の出雲博子医師は
「甲状腺の病気は、女性が一生でかかる病気のうちで最も多いといっていい」と指摘。
このうち橋本病は三十代後半から六十代が中心で、
女性は男性より二十〜三十倍多いといわれる。
バセドー病も男性より女性が数倍多い。
なぜ女性に多いかは不明だが、がんなどを含め、甲状腺の病気の九割は女性といわれる。
<橋本病>
慢性甲状腺炎。
1912年、この病気について初めて論文を発表した九州大の外科医、
橋本策(はかる)博士にちなんで名づけられた。
代表的な自己免疫疾患で、患者は欧米などでも多くみられる。