SGLT2阻害薬で重篤副作用

SGLT2阻害薬で重篤副作用,専門家グループが適正使用に関する緊急勧告
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1406/1406048.html
 diabetes
SGLT2:Sodium-GLucose co-Transporter 2


日本糖尿病学会の理事クラスで構成される
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」は6月13日,
緊急情報として,「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を
日本糖尿病学会および日本糖尿病協会の公式サイトで発表。


発売開始から1カ月で「予想された副作用である尿路・性器感染症に加え,
重症低血糖ケトアシドーシス脳梗塞や全身性皮疹などの
重篤な副作用が発症している」ことを踏まえ,使用上の注意を呼びかけた。


◆多剤併用による低血糖が最多,皮疹や脳梗塞ケトアシドーシスの報告も
これまでに報告された重篤な副作用と件数,主な背景は
低血糖が24例(うち4例が重症)。
多くが糖尿病治療薬の多剤併用例であった。


この他全身性皮疹・紅斑の報告が7例(うち6例が重症)。
委員会は「重篤な皮膚障害は,
治験時にほとんど認められていなかったものであるが,
同薬との因果関係が疑われ,
今後投与に際しては十分注意が必要」との見解を示している。


委員会は「重篤な皮膚障害は,治験時にほとんど認められていなかったものであるが,同薬との因果関係が疑われ,
今後投与に際しては十分注意が必要」との見解を示している。


次いで多かったのが脳梗塞で3例(うち2例は重症)。
発症時の年齢は50〜80歳代と記されている。
委員会は同薬により体液量が減少することが知られており,
適度の水分補給の他,高齢者や利尿薬併用例など
体液量減少を起こしやすい患者への投与は
十分な理由がある場合のみとすると説明している。


この他,ケトアシドーシスが1例。
この患者は極端な糖質制限を実施中で,
SGLT2阻害薬は血糖コントロールが良好な状態であっても
血中ケトン体増加が認められることがあるため,
栄養不良状態や極端な糖質制限を行っている患者への投与には
注意が必要と述べている。


◆併用薬の減量,脱水対策,65歳以上の全例登録,シックデイの休薬などを推奨
推奨は次の通り。


1.スルホニル尿素薬等インスリン分泌促進薬やインスリンと併用する場合には,
低血糖に十分留意して,それらの用量を減じる※。


2.高齢者への投与は,慎重に適応を考えたうえで開始する。
発売から3カ月間に65歳以上の患者に投与する場合には,全例登録すること


3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。
利尿薬との併用は推奨されない


4.発熱・下痢・嘔吐などがあるとき,
ないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には休薬する


5.同薬投与後,皮疹・紅斑などが認められた場合には
速やかに投与を中止し,副作用報告を行うこと


6.尿路感染・性器感染については,
適宜問診・検査を行って,発見に努めること。
問診では質問紙の活用も推奨される


7.原則として,同薬は他に2剤程度までの併用が当面推奨される


※ 声明では併用薬の減量方法例として次の3点が示されている。
・グリメピリド2mg/日を超えて使用している患者は2mg/日以下に減じる
グリベンクラミド1.25mg/日を超えて使用している患者は1.25mg/日以下に減じる
・グリクラジド40mg/日を超えて使用している患者は40mg/日以下に減じる