糖尿病薬の副作用抑制 中外製薬など、体重増えにくく

糖尿病薬の副作用抑制 中外製薬など、体重増えにくく
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO61140610W3A011C1MM0000/


中外製薬アステラス製薬など製薬各社は2014年中に新たな糖尿病治療薬を発売する。
インスリンの分泌を促して血糖値を下げる従来薬に対し、
新薬は体内の余分な糖を尿と一緒に排出して血糖値の上昇を抑える。
既存薬との併用で効果を高められるうえ、体重が増加する副作用も抑えられる。
国内の糖尿病患者数は増加傾向にあり、数百億円規模の大型薬となる可能性がある。


中外製薬などが手掛ける新しい治療薬は「SGLT2阻害薬」と呼ばれ、
腎臓付近にある糖を体内に再吸収する働きを持つ
たんぱく質(SGLT2)の活動を抑える働きを持つ。
血中に取り込まれなかった糖分は尿と一緒に排出される。


中外製薬は仏サノフィ、興和と共同で新薬候補「トホグリフロジン水和物」を開発、
サノフィと興和が国内の製造販売の承認を申請した。


大正製薬も自社で造りだした「ルセオグリフロジン水和物」を開発。
臨床試験では少量でも血糖値を下げる効果が高いほか、
長期間投与で体重を維持できることも分かった。


アステラス製薬は寿製薬(長野県坂城町)と共同で新薬を開発。
田辺三菱製薬も5月に承認を申請した。
各社の新薬は14年中に発売される見通しだ。


民間調査会社の富士経済(東京・中央)によれば、
12年の糖尿病治療薬の国内市場は約3700億円だった。
今後も患者が増えることや新薬の発売で、17年には5000億円を超えると予測している。