「迷ったら打つ」一般向けにエピペンの適正使用求める指針
日本小児アレルギー学会,東京都
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1307/1307067.html
日本小児アレルギー学会と東京都保健福祉局は昨日(7月24日)それぞれ,
小児の食物アレルギーの緊急時対応に関する新たな指針を発表した。
昨年(2012年)12月に東京都調布市の学校で起きた
食物アレルギーによる児童の死亡事故を受けて策定されたもの。
従来,食物アレルギー対応ガイドラインは複数存在していたが,
新たな指針では自己注射用アドレナリン(商品名エピペン,以下商品名で表記)
使用に関する情報をより具体的に記載し,「迷ったら打つ」との文言も強調されている。
◆該当する症状が1つでもあれば注射
昨年12月の学校での食物アレルギーによる児童の死亡事故は
事前の除去食に関する情報伝達が不十分であったことや,
エピペンの使用時期が遅れたことなど,
複合的な要因が絡んで起きたことが報告されている。
日本小児アレルギー学会では,
エピペンを処方されている患者でアナフィラキシーショックが疑われる場合,
1つでも症状があれば同薬を使用すべきと述べている。
また,今後,関係団体のマニュアルなどは
すべてこの一覧に準拠していくことを求めている。
◆症状発現から5分以内の判断求める
東京都保健福祉局も同日,この新たな適応を盛り込んだ
「食物アレルギー緊急対応マニュアル」を発表。
緊急時のエピペン使用と小児への心肺蘇生に関して具体的な対応を図示した他,
「アレルギー症状があったら5分以内に判断!」
「迷ったらエピペンを打ち,ただちに119番通報をする!」
といった文言も強調されている。
ワーキンググループ委員長の海老沢氏は,学校関係者向けのメディアで
「エピペンをもし間違って打ってしまった場合でも,
通常は問題ないことがこれまでの研究などで明らかになってきた。
また,有害事象は数%の頻度で報告されているが,
すべて自然回復しており比較的安全性が高い薬剤」と説明している。