ハイキング、吸血ヒルに注意

ハイキング、吸血ヒルに注意 血止まらず強いかゆみ
服の隙間から侵入
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56792380Z20C13A6MZ4001/



ハイキングや農作業などをする際は「ヤマビル」にも気を付けたい。
すその隙間などからひそかに侵入し、感触もないまま1時間以上も吸い続ける。
一度吸われると血が止まらず、1カ月近くかゆみが続く場合もある。
特に梅雨の季節は動きも活発になるので、注意してほしいと専門家は呼び掛けている。


「ヤマビルの怖さは気付かないうちに近づき、長い時間吸血することだ」。
環境文化創造研究所でヤマビルを研究する谷研究員はこう話す。


ヤマビルの吸盤の周囲には、二酸化炭素や体温などを感じるセンサーが付いており、
これを手掛かりに近づいて吸い付く。吸盤に並んだ細かい歯で皮膚を切り裂く。


ヤマビルが吸血中に出す「ヒルジン」という物質はフィブリンの働きを妨げるので、
「少なくとも1、2時間は出血し続けてだらだらと血が流れる」(谷主任研究員)。
吸血されている間は、蚊に刺された時のように気付くケースはほとんどないという。


◆塩水で退治
山歩きなどをする際、どうやってヤマビルの被害を避けるか。
神奈川県県央地域県政総合センターが作成した対策マニュアルなどによると、
服装に気を付け、ヤマビルの侵入経路を塞ぐことが大切だという。





吸血された場合は、
吸盤に向かって爪でそぐようにして皮膚からヤマビルを取り除き、
塩水や消毒用エタノールなどをかけて殺す。
そして傷口をつまんでヒルジンを搾り出し、消毒用エタノールや水で洗う。
ばんそうこうを貼って血が流れるのを抑えよう。


抗ヒスタミン剤などのかゆみ止めの軟こうを患部に塗ればかゆみも抑えられる。
ハチに刺された時に使用するアンモニアを含む薬は、
「かえって症状を悪化させるので使わない」(谷主任研究員)。