ステロイド

手荒れにステロイド
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=42488


Question

飲食業に従事する30歳の息子は
洗剤などによる手荒れがひどく困っています。
ステロイド剤の「ベトネベートN軟膏」を使っていますが
ステロイドによる副作用がとても心配です。

Answer

薬の吸収少なく副作用出にくい


飲食業は水仕事が多く、手が荒れやすいと思います。
皮膚の脂分が減って乾燥すると皮膚に炎症が起き、痛みやかゆみといった症状が出ます。
手の皮膚炎は治りにくく、水仕事をする機会が多い人や主婦にとっては悩みの種でしょう。
症状が軽ければ、保湿クリームを使った肌の手入れだけで何とか改善できます。
しかし、皮膚炎が悪化すると、皮膚の炎症を抑えるステロイドの塗り薬を使う必要があります。


手の皮膚は薬の吸収が悪く
他の部位より強めの「より強い」薬を使うことが多いです。
ベトネベートN軟膏は、その一つ下に分類されますが
炎症を抑えられるのなら、この薬を使い続けてかまいません。
症状が治まってきたら薬はやめ、保湿クリームを塗り
きちんと肌の手入れをしましょう。それが最も適切な治療法です。


ステロイドの塗り薬の主な副作用は
〈1〉皮膚の皮が薄くなる
〈2〉細かい血管が拡張し浮き出てくる
〈3〉皮下で出血を起こす――などです。


薬の吸収量が多い顔面や首などと違い、手は副作用が生じにくく、心配ありません。
むしろ症状が悪化したままにしておくと、細菌の温床になり
食中毒などの原因になります。しっかり治療し、手入れを行うことが大切です。


江藤隆史先生 東京逓信病院皮膚科部長
(2011年6月20日 読売新聞)