ニューロタン VS ブロプレス

ロサルタン vs. カンデサルタン、心不全患者の全死亡1.43倍に
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1101/1101024.html





スウェーデン・南病院のMaria Eklind-Cervenka氏らは、心不全患者の全死亡率に
カンデサルタンとロサルタンで差があることをJAMA(2011; 305: 175-182)に報告した。
ロサルタン投与群の死亡率は,カンデサルタン投与群に比べ1.43倍だったという。

5生率はカンデサルタン61%,ロサルタン44%

Eklind-Cervenka氏らは,2000〜09年にスウェーデンの62病院および60外来診療所で
登録された心不全患者3万254例の中から,カンデサルタンもしくはロサルタンの投与を
受けていた5,139例を抽出。中央値で563〜640.5日間追跡し,全死亡との関係を検討した。

(平均年齢74±11歳,男性3,116例,女性2,023例、カンデサルタン2,639例,ロサルタン2,500例)


2009年12月14日時点での死亡者はカンデサルタン群441例,ロサルタン群888例。
その時点で生存している対象者は,Kaplan-Meier法
単変量および多変量比例回帰モデルで導き出される予測因子で分析された。


その結果,1年生存率はカンデサルタン群で90%、ロサルタン群で83%で
5年生存率はそれぞれ61%、44%。カンデサルタン群で有意(P<0.001)に良好だった。

LVEFやNYHAクラスで層別化しても変わらず

全死亡率のハザード比は単変量解析、多変量解析、さまざまな因子を加味しても
カンデサルタン群に比べロサルタン群で全死亡リスクが1.43倍上昇することが分かった。


Eklind-Cervenka氏らは、「今回の研究結果は
カンデサルタンがロサルタンよりも全死亡率低下と関係していることを示唆している。
心不全を対象としたARB同士の比較試験は行われてこなかったが
これまでもカンデサルタンはプラセボ対照試験で死亡率を低下させることが示されていた。
また,ロサルタンはACE阻害薬を対照とした試験で死亡率,心不全入院率ともに差がなかった一方
カンデサルタンは同様の試験で心不全入院率を抑制することが明らかになっている」と説明。