植物性蛋白質の摂取増でCKD患者死亡が減少
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0315500400/
植物性蛋白質の割合が高い食事が慢性腎臓病患者の死亡減少に関係すると,
University of UtahのグループがAm J Kidney Dis(2016; 67: 423-430)に発表した。
eGFR高値群では有意差見られず
植物性蛋白質の摂取と血清リン低値との関係が報告されており,
総蛋白質に占める植物性蛋白質の割合が高い食事は
CKD患者の死亡リスクを低下させる可能性がある。
同グループは,米国民保健栄養調査Ⅲの参加者のうち
20歳以上の1万4,866例を推算糸球体濾過量(eGFR)
60mL/分/1.73m2未満群と
60mL/分/1.73m2以上群に層別化し,
総蛋白質に占める植物性蛋白質の割合と死亡との関係を検討した。
1日の植物性蛋白質摂取量は平均24.6g,
総蛋白質に占める植物性蛋白質の割合は平均33%で,
eGFR 60mL/分/1.73m2未満のCKD患者の頻度は4.9%であった。
平均8.4年間の追跡で2,163例の死亡が確認された。
喫煙,アルコール摂取,併存症,BMI,総蛋白質摂取量などを補正した結果,
総蛋白質に占める植物性蛋白質の割合の33%増加は
eGFR 60mL/分/1.73m2以上群では死亡との関係は見られなかったが,
eGFR 60mL/分/1.73m2未満群では有意な死亡リスク低下と関係していた。