コレステロール摂取基準は撤廃 米国の新食生活指針

コレステロール摂取基準は撤廃 米国の新食生活指針
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO84998720Y5A320C1MZ4001/



■科学データを追認
米国で新たな見解を示したのは農務省と保健福祉省の諮問委員会だ。
「前の指針で1日300ミリグラムを超えないよう制限すべきだとしたが、
今年の指針ではこうした勧告はしない」と明記した。
摂取量と血中濃度の関係を示す証拠がないためコレステロール
「過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」と結論づけた。


血中のコレステロールのうち食事で取る分は、年齢や性別にもよるが約2割だ。
大部分は肝臓で作られ体内でリサイクルされる。
コレステロールを多く含む卵やエビ、イクラなどを避けて摂取量を減らしても
血中濃度はほとんど変わらない。報告書は多くの科学データを追認した形だ。


■日本も削除予定
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会も、
昨年まとめた報告書にコレステロールの摂取目標量を盛り込まなかった。
既に血中コレステロールの値が高い人でも、
摂取を減らせば心筋梗塞などを予防できるかは明らかではないとした。


同基準の現行版は上限目標量を示しているが
「十分な科学的根拠が得られなかった」として、今年4月施行の15年版では除外する。
寺本センター長は「コレステロールにばかりこだわるよりも、
動物性の飽和脂肪酸を減らし食物繊維を多めに取るとよい」と勧める。
飽和脂肪酸は血中のLDL(悪玉)コレステロールを下げる仕組みを阻むとされる。