クロス取引の落とし穴、くせものの「逆日歩」を予想
投資ビギナー必見 株主優待入門
http://www.nikkei.com/money/investment/yutai.aspx?g=DGXNASFK2701S_27092013000000
クロス取引とは、
現物買いと信用売りで同じ株数を同時に成り行きで注文し、
権利確定後に「現渡し」という方法で決済する手法。
現渡しとは、
信用売りのために借りた株を、手持ちの現物株式を使って返済する方法だ。
売りと買いを両建てにすることで、株価変動リスクなしに優待を獲得できる。
発注タイミングは、午前9時までと、
午前11時半から12時半までの2回が基本。
証券会社によっては、11時半と15時の引け値の成り行き注文もできる。
クロス取引には売買手数料の他、貸株料や配当調整金、
そして逆日歩と呼ぶコストが掛かる。
中でも、くせものなのが逆日歩だ。
人気優待銘柄では、驚くような高額の逆日歩が発生することがある。
◆逆日歩は実績と気配で予想
逆日歩が確定するのは取引後。
「逆日歩の額を予測しておき、冷静に対応しないと、
高い優待になってしまうこともある」(ころさん)。
ころさんによれば、逆日歩は、
(1)過去の逆日歩の実績、
(2)注文前の売買の気配から、ある程度は予想できるという。
過去に高額の逆日歩が発生した銘柄は、次回も同じようになる可能性が高い。
ただ、過去に逆日歩が生じていない銘柄に信用売りが集中して、
思いがけない銘柄に逆日歩が発生することもある。
そこで、注文前に確認したいのが売買の気配だ。
発注画面にある板情報に「成り行きの売り気配」が多い銘柄は高額逆日歩が発生しやすい。
信用で株を売るには、売る株を借りる必要がある。
通常、信用買い(融資残)は信用売り(貸株残)より多いものだが、
信用売りが増えると、貸株が不足し、
機関投資家などから売る株を調達する必要が出てくる。
その際の品貸料率が逆日歩なのだ。
銘柄ごとに1日1株当たり「●銭」と提示され、取引する株数に乗じて算出される。
信用売りが極端に増えると「売り禁」措置が取られ、
信用売りそのものができなくなることもある。
「高額逆日歩が予想される時は、現物取引で臨みます。
優待の魔力やクロス取引にとらわれ過ぎない方がいいですね」と、ころさん。
クロス取引もリスクフリーではないことを覚えておこう。