32年ぶりの新薬で変わる慢性便秘症患者の排便

32年ぶりの新薬で変わる慢性便秘症患者の排便
日本発,世界初のルビプロスト
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1303/1303019.html



器質的疾患による便秘を除く慢性便秘症治療薬ルビプロスト
(商品名:アミティーザ)が,昨年11月に発売された。
わが国で創成され,クロライド・チャネル・アクチベータという
世界初の作用機序を有する同薬は,ピコスルファートから実に32年ぶりの登場となった。


◆新規の作用機序,腸管内で水分分泌を促進
ルビプロストンは日本人医師の上野隆司氏(スキャンポ社最高経営責任者兼会長)
によって開発された新しい慢性便秘症治療薬だ。


作用機序は,小腸粘膜上皮細胞にあるCIC-2クロライドチャネルを活性化させることで
腸管内のクロルイオン濃度を高めて水分分泌を促進し,便の水分含有量を増加させる。
水分を含んで軟らかくなった便が腸の蠕動運動を促進し,自然排便を促すというもの。


既存薬との大きな違いは便の形状である。
刺激性下剤では便が泥状となって排泄されるが
ルビプロストンでは自然排便が見込める。
しかも,小腸で水分の分泌を促進するため,刺激性下剤のような排便時の痛みがない。


◆硬いソーセージ状から軟らかい便に改善
同薬初回投与から自然排便までの時間は23.5時間。
プラセボ群(48.0時間)に比べて有意に短い(P<0.05)。
また,投与1週後の自発排便回数は6.8回(vs. プラセボ群1.5回,P<0.001)であり
ほぼ毎日,自然排便が得られた。


便の形状改善度をブリストル・スケール便形状で評価したところ
ベースラインでは2(ソーセージ状だが硬い便)に近かったのが
投与4週後には理想的な4(表面が滑らかで軟らかいソーセージ状
あるいは蛇がとぐろを巻くような便)に近い形状まで改善した。


◆主な副作用は下痢,悪心
副作用として主に下痢(95例,30%)や悪心(73例,23%)が報告された。


便秘の新薬
便秘新薬