セル・エクササイズ

冬場の便秘を解消 「セル・エクササイズ」とは
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49907360S2A221C1MZ4001/



3日続けて排便がない状態が習慣になると「慢性便秘」といわれる。

慢性に2タイプ

日常で多い慢性便秘には、主に2つのタイプがある。
大腸の運動能力が低下して起こる「ぜん動不全型」と
便が直腸まで行くのに排せつできない「直腸・肛門型」だ。


たまった便は腸の筋肉が収縮を繰り返すことで肛門まで運ぶ。
これがぜん動で、年を取るにつれて弱くなりがちだ。
このタイプはお年寄りや妊婦に多い。


繰り返し便意を我慢すると
直腸から脳に伝わる刺激が鈍くなって便意を感じにくくなる。
周囲を気にしてトイレを我慢しがちな若い女性に多い。
市販の便秘薬の多くは腸を刺激して収縮を強めて便意を促すため
直腸・肛門型には効果が薄いという。


水溶性の食物繊維が豊富なプルーンやキウイ
海藻、大根、アボカドなどは便が軟らかくなりやすい。
リンゴやかんきつ類などに含まれるペクチン
腸のぜん動運動を促す効果があるとされる。
食物繊維の摂取量は1日約25グラムが目安だ。

イモ・大豆はNG

反対に、水に溶けにくい食物繊維を大量にとると
便の量が増えて便秘が悪化してしまう恐れがある。
便秘のときは、イモ類や大豆はなるべく避けよう。


腸内環境を整えるヨーグルトや乳酸菌飲料などを継続してとることも効果がある。
ハチミツを加えれば乳酸菌の働きがさらに活発になる。


運動を組み合わせると効果が高まる。
就寝前などにストレッチをして腸の働きを活発にし、なるべく早い時間に寝床に入る。
十分な睡眠は副交感神経の働きを促してリラックスできる。
起床後は朝食をゆっくり食べ、トイレに行く時間も確保しておこう。


順天堂大学医学部付属順天堂医院の小林弘幸教授は
便秘解消などを目指した「セル・エクササイズ」を考案した。
脇腹を手でつかむなどの動作で腸の動きを活発にして、自律神経のバランスを整える。
複数の動作があり、それぞれ3分間ずつこなす。


最後の手段が医師が処方する治療薬だ。
11月に発売された慢性便秘症治療薬「アミティーザ」は
病院で処方される便秘治療薬として約30年ぶりの新薬になる。
創薬ベンチャーのスキャンポファーマが開発した。


アミティーザは腸管内への水分分泌を促して便を軟らかくし
腹痛や膨満感、残便感など慢性便秘の症状を改善する効果がある。
服用後の便はある程度固まり下剤のように液状になりにくいという。


便秘の新薬
便秘新薬