大人の白血病治療「慢性骨髄性白血病」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2012/09/0924.html
慢性骨髄性白血病とは
造血幹細胞や分化していく過程の細胞が、がん化するのが白血病で
ほかのがんと同様、高齢になるほど起こりやすくなります。
いくつかのタイプがあり、その1つが慢性骨髄性白血病です。
慢性骨髄性白血病では、造血管細胞の染色体に異常が起こっています。
通常は慢性期を経て、治療しなければ悪化して症状が現れます。
慢性期には自覚症状がほとんどない
慢性期には、比較的成熟した白血球が
大量につくられるようになりますが、自覚症状はほとんどありません。
治療を受けずに3〜4年たつと、がん化した未熟な細胞だけが増えて
成熟した血液細胞をつくることができなくなります。
これが急性転化で、発熱、貧血、出血傾向などの症状があらわれます。
慢性骨髄性白血病の治療
2001年に登場した分子標的治療薬によって、治療法が大きく進歩しました。
分子標的治療薬は、従来の抗がん剤と異なり、異常な細胞だけに作用する薬です。
慢性骨髄性白血病の治療には
最初に登場した「イマチニブ」(グリベック)
2009年に発売された「ニロチニブ」(タシグナ)
「ダサチニブ」(スプリセル) があります。
がん化した造血幹細胞がつくる「BCR-ABLたんぱく」
という異常なたんぱくに作用して活性化を抑え、異常な細胞の産生を防ぎます。
慢性期の段階ですぐに服薬を始めることが大切で、現在のところ
薬をのみ続けていれば病気の進行を抑えて治癒に近い状態(寛解)を保つことができます。
ただ、薬を服用していても数%の患者さんに急性転化が起こることが報告されています。
定期的に血液や遺伝子の検査を受けて薬の効果をチェックし
副作用をコントロールしながら治療を進めます。