クラミジア肺炎

クラミジアが肺炎の一因に 人のせき・鳥の世話で感染
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO46353880Q2A920C1EL1P01/



肺炎をもたらすクラミジア・ニューモニエは性感染症とは菌が異なる。
性感染症の場合、「クラミジア・トラコマチス
肺炎クラミジアは、つばなど飛沫(ひまつ)によって人から人にうつる。





この菌は「流行時期は特になく、子供から高齢者まで年中かかるリスクがある。
感染しても発症しない人がいる一方、何度もかかってしまう人もいる」
川崎医科大学岡山県倉敷市)の宮下修行准教授は説明する。
感染した場合は、鼻や喉など上気道で菌が増え、せきが長く続く原因になる。


ただ発熱しないことが多く、アレルギー性の疾患などと勘違いしやすいという。
症状が悪化すると気管支炎や肺炎にもつながることもあるので注意が必要だ。


宮下准教授は、川崎医大付属川崎病院(岡山市)を受診した患者のうち
2週間以上せきが続いていた人を詳しく調べた。
気管支ぜんそくやせきぜんそくが半数以上を占めたが
肺炎クラミジア感染も約5%に達した。
マイコプラズマという肺炎をもたらす別の細菌は1〜2%で
クラミジア感染は決して少なくない」(同准教授)と注意を促す。


一方、鳥から感染するタイプのクラミジアも存在する。
オウムやインコ、ハトなどが感染源で「オウム病」と呼ぶ人と動物に共通する感染症だ。
病原菌を含んだ鳥の乾燥したふんなどをほこりとともに吸い込んだり
ペットとして飼っている鳥に口移しで餌を与えたりするのがきっかけでうつるという。


オウム病に感染すると、1〜2週間の潜伏期があり、突然発熱する。
症状はインフルエンザにかかった際と似ている。
症状が悪化すると肺炎を発症することもある。





獣医師でもある大阪府立大学の大西義博准教授は
オウム病クラミジアを鳥がどの程度持っているか調べた。
室内の籠で飼っていたインコなどは菌の保有率が12%だったのに対し
ハトのように半野生で飼育しているケースでは同30%に上った。


半野生では他の鳥との接触も多いためとみられる。
「野生の鳥は保有率がさらに高い可能性が十分ある」と大西准教授は指摘する。
公園などでパンくずを与える際はハトが近寄ってくる。
鳥が病原菌を保有していても必ずしも感染するとは限らず
必要以上に恐れることはないが、オウム病のことも頭の片隅に置いておきたい。


鳥を飼っている場合は口移しなどの濃厚接触を避けるとともに
籠をこまめに掃除することが大切だ。
掃除の際はマスクや手袋をし、終わった後はきちんと手を洗う。
ペットが感染しているかどうか心配なら、獣医師に一度診てもらおう。