塩漬け

なぜあなたは株を塩漬けにするのか
http://www.nikkei.com/money/features/31.aspx?g=DGXZZO3679161026112011000000


「見切り千両、損切り万両」。
すばやく見切りをつけて、損失を確定する勇気はのちに値千金の利益を生む
という意味で、損切りの大切さと損切りに踏み切る速さの重要性を説いている。

2割損しても資産を1.8倍に増やせる合理的理由

株価は未来永劫上がるわけでもないし、逆に下がるわけでもない。
必ず反転、上昇する。損切りして売却すれば現金を手にできる。
株価の反発時に手元に資金があれば
「損失を取り戻すべく挽回」という行動も選択肢に入れることが可能になる。





では手元に資金がなければどうなるだろうか。
株価が買値近辺に戻ってくるのをひたすら待つだけである。
それまで何もできない。いつ回復するかもわからない。
つまり、塩漬けとは換金せず資金を固定化してしまうことを意味する。


日経平均株価連動型のETFを買ったという前提でチャートをご覧いただきたい。
1万8000円で高値づかみしてしまうという最悪のケースを考えよう。
20%下がったら損切りするルールを徹底した場合、1万4400円(A線)で売ることになる。
損失は大きいが、長期でみるとずいぶんケガが軽いということがおわかりだろう。


30%で損切りならどうか。
100万円で買って70万円にならないと売らない基準だが
一般個人なら多額の実現損を嫌って売らずに戻りを待とうとするだろう。
ここで売ったら1万2600円(B線)である。この水準でもかなり救われる。


一方、日経平均は7000円近辺に下がった後3度反発局面が訪れている。
1度目は08年3月(7054円)から09年8月(10639円)にかけて回復
上昇率はじつに50%に達した。
09年11月から翌10年にかけての戻りが25%、10年8月から11年2月が23%上昇した。
机上の空論だが100万円が80万円に目減りした時点で損切り
80万円を50%、25%、23%で複利運用できたと仮定すれば資産は180万円に増える。
こんなにうまくいくわけはないが、挽回のチャンスが複数回めぐってくるのだ
ということはおわかりだろう。

塩漬け投信は始末が悪い

塩漬け株は在庫と似ている。在庫がたまると資金が固定化され
運転資金を借り入れに依存していれば金利負担ものしかかる。
一般に個人投資家は含み益が出ると
早めに実現させようという保守的な心理が働く半面
含み損の場合は損を確定させたくないという損失先送り効果が支配する。
正しい投資行動はまったくの逆で
損失が出たらさっさと手仕舞い、一刻も早く現金化することだ。
逆に含み益が出始めたらできるだけ長く待つべきだ。