高価なトリプタン製剤を使う前に「呉茱萸湯」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kanpo/201111/522243.html
帝京大外科准教授、愛誠病院漢方センター長 新見正則先生
僕が片頭痛を持つ患者さんに処方しているのは呉茱萸湯です。
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、呉茱萸、人參、大棗(たいそう)
生姜(しょうきょう) を組み合わせた処方で、水毒を改善する薬です。
漢方では、片頭痛のような慢性頭痛を「水」のめぐりが悪い水毒によるものと考えます。
疲れやすく、手足の冷えがある虚証の患者さんの向けの薬ですが
頭痛の患者さんに対しては、ほぼ自動的に4週間処方しています。
予防薬としても、頓服薬としても有効です。
ただ、呉茱萸湯は結構苦い薬ですから、処方後の再診時に
薬の味がどうだったかを尋ねるのを忘れないようにしてください。
「良薬口に苦し」と言いますが、漢方では実は体に合っている薬は
不思議と飲みやすく感じるため、味の確認は重要です。
もちろん、呉茱萸湯で症状が楽になっていれば続行ですが
そうでなくても、通常は苦い呉茱萸湯を「おいしい」と言う人は
たとえあまり変化を感じていなくてもしばらく飲み続けてもらっています。
また、「まずいけれども結構飲めるよ」と答える人にも
「もう少し続けてみてはどうですか」とアドバイスしています。
5人に1人はトリプタン製剤が必要なくなりますし、そこまではなくて必要な薬の量が減ります。