腐敗国家

ギリシャが世界経済を人質に G20も機能不全
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111103/fnc11110321080007-n1.htm


「ルールを守れないならユーロ圏を去らなければならない」
サルコジ仏大統領は、パパンドレウ首相との会談後の会見で、語気を強めた。
並んで会見したメルケル独首相も
ギリシャとともに単一通貨ユーロの安定を成し遂げたいのはやまやまだが
ユーロの安定こそが何よりの優先課題だ」と、苦渋の表情をみせた。


独仏首相はギリシャを説得できず、ギリシャのユーロ離脱という
最悪のシナリオを想定せざるを得ない状況に追い込まれた。


だが、会談後に「国民は賢明な選択をすると信じている」と語り
投票の結果に自信を示していたパパンドレウ首相は3日になると
辞任が避けられない状況となった。与党や閣僚から国民投票への批判が一段と高まり
4日に行われる内閣信任案の採決で与党議員が2人以上が造反し
否決される可能性が高まっているためだ。


ギリシャの世論は、59%が支援策に反対する一方で
73%がユーロ残留を望んでいるが
国民投票にかけることは、あまりにも「危険な賭け」だ。


大衆紙は、ギリシャを「EUの頭部に銃を突きつける腐敗国家」と断じた。


ギリシャがユーロを離脱すれば何が起きるのか。
ギリシャは12月中旬までに60億〜80億ユーロの国債償還を控えるが
凍結された80億ユーロのつなぎ融資は実行されず
「無秩序なデフォルト(債務不履行)」が避けられなくなる。


ギリシャは旧通貨のドラクマに戻るが、信用失墜で暴落は必至。
現在、ユーロ建てのギリシャの借金は、ドラクマ建てになれば何倍にも膨れあがる。
輸入物価も上昇しインフレが国民生活を圧迫。
信用不安による取り付けで、政府は預金の引き出し制限を迫られ
企業は連鎖倒産に追い込まれる。スイス大手金融UBSは、離脱によって
初年度だけでギリシャのGDPの4〜5割が失われると試算する。


影響はギリシャ国内にとどまらない。
ギリシャの次の離脱国」として標的にされたイタリアやスペインの国債が一斉に売られる。
国債暴落が銀行の経営を直撃し、巨額の焦げ付きで連鎖破綻に追い込まれ
「世界金融恐慌」に発展しかねない。