ツロブテロール

貼付剤の効果を心配する喘息児の母親
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇 6

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇 6


◆Question

6歳女児
うちの娘は2〜3年前から喘息で治療を受けています。
低気圧が近づくと、夜間によく咳をすることが多いので、先生に相談すると
「今日から出す貼り薬を入浴後に貼ってみてください」と言われました。
こんな小さなテープを貼っておくだけで、本当に喘息発作が治まるのでしょうか。


《処方せん》
フルタイド50ディスカス 1個
1日2回(朝・就寝前) 1回1吸入
ホクナリンテープ 1mg
1日1回(夜入浴後に貼付) 28日分

◆服薬指導

ホクナリンテープは飲み薬と比べて
体の中に入る薬の量が少なくてすみますし、作用の持続時間も長くなります。
そのために副作用が出にくく、発作を抑える効果も高いことが確かめられています。

◆解説

 ツロブテロール貼付剤は、Tmaxが12〜14時間と、同経口剤の1〜3時間に比べて極めて長く、長時間にわたり安定した気管支拡張効果が得られる。さらに、乳児など内服や吸入が難しい患者にも投与でき、1日1回の貼付で済むので、高いコンプライアンスが期待できる。実際、小児喘息においてツロブテロール貼付剤とドライシロップ剤の投与前後の最大呼気流量(PEF値)を比較した試験では、貼付剤群で同等以上のPEF値改善効果が認められている。

 副作用については他のβ2刺激剤と同様、動悸や不整脈、振戦などの全身性副作用が報告されているが、最高血中濃度が経口剤に比べて、かなり低いため、頻度は1〜2%程度にとどまる。ただし、皮膚の発赤やかゆみなど局所の副作用が約1割に発現するので、時々貼付部位を変えるなどの指導が必要である。