この5年、実は円預金が最も有利だった
http://www.nikkei.com/money/features/22.aspx?g=DGXNMSFK19025_19072012000000&df=1
「この5年で考えれば、数ある金融商品の中で
円預金が一番『有利』だったと言えるかもしれません」……。
ファイナンシャルプランナー(FP)の紀平正幸さんは
この数年間の投資環境を振り返ってこう指摘した。
金利が年0.03%の円預金に預けた場合、5年で受け取れた利息は1500円だ。
わずか1500円とはいえ他の金融商品がこれほどまでに値下がりしていたことを考えれば
確かに円預金は最も「有利」だったといえる。
円預金は確実にためたい、元本保証を重視する人だけにメリットがあるわけではない。
投資環境が悪い時期に損失を免れるため
投資資金を一時的に円預金に避難するという使い方もできるのだ。
「まずはネットバンクの活用を検討したい」
とアドバイスをするのはFPの国場弥生さん。
同じ銀行でも、ネットバンクを利用すると金利が優遇されてお得なケースもある。
たとえばみずほ銀行では、店頭金利は1年物定期で年0.025%だが、ネットだと0.055%。
他のメガバンクでも、不定期でネットバンクでの金利優遇を実施している。
ポリオ
前国立感染症研究所情報センター長・岡部信彦 ポリオ生ワクチンへの鎮魂
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120724/bdy12072403070000-n1.htm
9月からポリオの予防接種が
これまでの生ワクチン(OPV)から不活化ワクチン(IPV)に切り替わる。
生ワクチンは定期接種としての役割を終え、表舞台から消えることになる。
ポリオは天然痘に次いで地球上からの根絶が目指されている。
多くの子供たちに生涯にわたる主に下肢のまひを残すだけではなく
呼吸筋のまひにより患者の5〜10%は死に至ることがある
子を持つ親にとって恐怖の病気だからだ。
この病気は今でも治療法はないが、数滴の生ワクチンで防げる。
1960年、日本で年間五千数百例のポリオ患者が発生した。
当時、国内ではポリオワクチンはまだ導入されておらず
翌年、国は生ワクチンの緊急輸入を決断した。
これによって多くの子供たちがポリオから免れるようになり
80年を最後にわが国からポリオという病気は消えた。
生ワクチンは経口接種のため注射器がいらず医師でなくとも容易に投与できる。
ゴミも出ない。そして安い。
ポリオ根絶までもう一歩まで来ているが
戦争や貧困はポリオ根絶の妨げになっており
ポリオの免疫が低下した地域では
流行国からのポリオウイルスの侵入により
ポリオの流行が突然生じたりすることがある。
これが非流行国でもポリオワクチンをやめられない理由だ。
ポリオの予防に大きな貢献をした生ワクチンには、一方では極めてまれながら
副反応としてワクチンウイルスによるまひが生ずることも知られている。
ほとんどが1回目の投与の時で
おおよそ100万人前後に1人のまひ(VAPP)が発生する。
日本では年間およそ120万人が出生しているので
年間1人あるかないかのVAPPが発生していることになる。
ポリオがわが国でこの三十数年間発生していないのは
ポリオに対する免疫が高い水準に保たれているからである。
一方ポリオ根絶を達成した国では、ポリオの免疫を高く維持しながら
VAPPの発生をもゼロにするために、不活化ワクチンに切り替える国が増加している。
日本も先進国ではやや遅ればせながらではあるが
この9月から不活化ワクチンへの切り替えが開始される。
おそらくは11月ごろには導入されるであろうジフテリア・百日ぜき・破傷風(DPT)
と不活化ワクチンを混合した4種混合ワクチンの登場によって、さらに本格化することになる。
外用抗真菌薬
水虫治療 常識のウソ
「外用抗真菌薬はどれも同じ効果」じゃない!
常深祐一郎先生(東京女子医大皮膚科講師)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/tsunemi/201207/525935.html
問題1
次の外用抗真菌薬のうち、足白癬の治療に最も適切なのはどれでしょうか。
いずれの薬剤も、足白癬に適応があります。
(1)ニゾラール(一般名 ケトコナゾール)
(2)アスタット(一般名 ラノコナゾール)
(3)マイコスポール(一般名 ビホナゾール)
白癬菌に効果の高い外用抗真菌薬
・ルリコナゾール (ルリコン)
・ラノコナゾール (アスタット)
・テルビナフィン (ラミシール)
・リラナフタート (ゼフナート)
・ブテナフィン (メンタックス、ボレー)
・アモロルフィン (ペキロン)
ビホナゾール(商品名マイコスポール)は
1日1回塗布でよく、白癬、カンジダ、マラセチア(癜風菌)の
どの菌種にも適応があるということで、世に出た当時は注目を集めましたが
薬効面ではその後に登場した薬剤に追い抜かされてしまいました。
ケトコナゾール(ニゾラール)も有名な外用抗真菌薬で
白癬、カンジダ症、癜風などに適応がありますが、白癬に対する効果はかなり低いです。
ただしケトコナゾールは、カンジダやマラセチアに対しては抜群の効果を発揮します。
というわけで、問題1の正解は、(2)アスタットでした。
問題2
次に示した外用抗真菌薬のうち、爪白癬に適応を持つのはどれでしょうか。
(1)ルリコン液(一般名ルリコナゾール)
(2)ルリコンクリーム(一般名ルリコナゾール)
(3)ゼフナート外用液(一般名リラナフタート)
(4)ゼフナートクリーム(一般名リラナフタート)
伝統的に行われている「足にはクリーム、爪には液」
という使い分けに意味はあるのでしょうか?
「爪には液」なのは、液の方が浸透がよい気がするからでしょう。
しかし実際には、「爪には液」にエビデンスはありません。
また、これもしばしば誤解されていますが、液とクリームはいずれも
足白癬や体部白癬などには適応がありますが、爪白癬には適応がありません。
そもそも、外用抗真菌薬には、どの剤形も爪白癬の適応はありません。
爪白癬は、抗真菌薬の内服を行わなければ治癒は望めません。
と考えれば、クリームと液を塗り分ける理由がないことがお分かりいただけるでしょう。
逆に、塗り分けることにはデメリットがあります。
まず、処方される薬剤数が増えますので
特に高齢者では、どれがどの部位用の薬かが分かりにくくなります。
次に、2剤形を塗り分けると、塗る手間が増えます。
1つの容器のふたを開けて手に出して塗って、その容器のキャップをしめて
もう1つの容器を開けて手に出して塗って、容器をしめる、という作業になるからです。
手間がかかると、当然アドヒアランスが低下します。
水虫の治療では毎日薬を塗布しなければなりませんから、アドヒアランスの低下は大きな問題です。
さらに、2剤形を塗り分けると塗り残しができやすくなります。
足白癬治療においては
足底、趾間、趾背、足縁、アキレス腱部までくまなく塗ることが必要です。
塗り残しは、避けなければいけません。
1剤で、足も爪も外用するようにすれば、薬の数も減らせて処方する医師の手間も減り、患者の理解も容易になります。
そして、1剤形で全体に塗布すれば
塗布時の患者の手間も減って、塗り残しも減ります。
その際の剤形は、クリームでも軟膏でも液でも、どれでも構いません。
しっとりしていた方が良いという人や液が
垂れて塗りにくいという人にはクリーム
刺激を受けやすそうな部位がある人には軟膏
べたつきを嫌う人や素足で生活する人には液、といったように選択します。
・剤形数は1つがよい。
・足も爪も同じ剤形で全体に塗布する。
・クリーム、軟膏、液は患者の好みや病変の状態によって決定する。
ですので、問題2は「どの薬剤も爪白癬に適応はない」が正解でした。
円高
ユーロ一時94円10銭台 11年8カ月ぶり http://www.asahi.com/business/update/0725/TKY201207240773.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012072301001913.html
ニューヨーク外国為替市場で24日昼
対ユーロの円相場は一時、1ユーロ=94円10銭台をつけた。
2000年11月以来、11年8カ月ぶりの円高ユーロ安水準。
欧州債務危機への不安から、ユーロが主要通貨に対して売られている。
この日は、ギリシャの債務削減計画の達成が難しいとの見方が伝わり
ユーロ売りに拍車がかかった。
こむら返り
高齢者のこむら返り
あきば伝統医学クリニック院長 秋葉 哲生先生
http://www.tsumura.co.jp/password/magazine/172/bestchoice.htm
下腿の腓腹筋痙攣はこむら返りとも呼ばれ,夜間に好発する.
高齢者に多い理由ははっきりしないが,高齢者には腰椎変形などによる
坐骨神経の物理的圧迫が潜在的に多いことや,筋力が低下しているために
日常生活で腓腹筋に過度の負担がかかりやすいことなどが考えられている.
痙攣が起こるのは突然であり,夜間就床臥床中であるので
対処に窮して大変に困ったと受診時に訴えることが通常である.
もし手足に運動障害などがない場合には,患側の足の第一指を
対側のかかとなどを用いて他動的に強く背屈させると即座に緩解する.
しかし手足が不自由な高齢者ではこれを実行するのは
難しいのでどうしても薬物療法が必要となる.
芍薬甘草湯は安価で確実な効果が知られたため
内科に限らずほとんどすべての診療科で用いられるに至っている.
しかし本方は通常量以上の甘草が配剤されており
副作用として偽アルドステロン症を発症しやすいため
長期間用いる場合には工夫が必要となる.
また様々な理由で本方が用いられない場合や無効な場合などは
ほかの方剤を選択しなければならない.
芍薬甘草湯
本方には1日量として5〜6gの甘草を含むことを忘れてはならない.
慢性的な疾患に用いる場合には,甘草は通常1日5g未満の投与が推奨されるので
満量を用いないのがコツである.
幸いに通常のこむら返りには眠前に1日量の1/3の投与で十分に発作を予防することができる.
既に漢方薬を用いている場合には投与中の甘草量の合計を5g以内に抑える必要がある.
透析患者で激しい筋肉痙攣を来すことがあるが
この場合には芍薬甘草湯の投与量を次第に増量し
通常の上限まで用いて抑制可能な場合がある.
透析中であるのでカリウム低下などの偽アルドステロン症の問題はあまり心配しないでよい.
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
桂枝加朮附湯は基本が桂枝湯であるので,芍薬と甘草をともに含有している.
手足が冷えて胃腸が弱く,色白のむくみやすい傾向のある患者のこむら返りで
日ごろから腰痛や坐骨神経症状に悩む場合に適している.
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
かつて抗てんかん薬が今ほど多様でなく
発作の管理に難渋する例が少なくなかった頃に
柴胡桂枝湯は抗痙攣作用を有するとされ広く用いられた.
筆者も頻発する熱性痙攣の小児に対し,上気道炎罹患頻度の減少と
発熱時の痙攣発作の予防に本方を度々処方した経験がある.
こむら返りも一種の痙攣発作とみなすことができるので,本方を適用することが可能である.
本方は元々,小柴胡湯よりは虚しているが
平均的な体力や胃腸機能の持ち主であれば問題なく適用可能である.
風邪の予防薬としても用いられるので高齢者にはどちらかというと適した漢方薬である.
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
東洋医学では人体を三部に分けて考えることがあり,
から下のできごとは五臓の腎の担当領域とされている.
こむら返りの起こる“ふくらはぎ”はまさに腎の領域に当たる.
ちなみに,臍と横隔膜の間は消化器で脾胃の領域であり
横隔膜から上部は心と肺の担当である.
牛車腎気丸はその名の通り,腎気を保つ作用を有するので
腎気が衰えた高齢者に起こるこむら返りを治療する力が期待される.
牛膝と車前子は薬物の作用点を人体下部に移して
八味地黄丸よりも下肢に対する力が強化されている.
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
疎経活血湯は四物湯を基礎として組み立てた方剤で
血虚が基礎にある高齢者の関節痛や神経痛,筋肉痛に用いられる.
皮膚の乾燥や口内乾燥感を伴うこむら返りには有効であると考えられる.