脂質異常症でも卵を好きなだけ食べていいの?

脂質異常症でも卵を好きなだけ食べていいの?
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/feature/f170401/201704/550892.html



2015年に、「日本人の食事摂取基準」が改訂され、
従来定められていたコレステロールの食事摂取基準
(1日当たり男性750mg未満、女性600mg未満)が撤廃された。
これは、食事によるコレステロール摂取量と
血中コレステロールの相関を示すエビデンスが十分でない、
つまり、コレステロール摂取量を制限しても、
血中コレステロール値の下がり方に個人差が大きいためだ。


では、脂質異常症患者も、卵を好きなだけ食べてもよくなったのだろうか。


結論から言うと、日本動脈硬化学会は、
脂質異常症といった冠動脈疾患の発症リスクが高い人は
LDLコレステロール値を目標値以下に下げる必要があり、
これまで通りコレステロール摂取を制限することを推奨している。
特に、高LDLコレステロール血症患者は
コレステロール摂取量は1日200mg以下(卵1個程度)に抑える必要がある。


コレステロールの摂取制限が撤廃されたのは、あくまで健康な人であり、
高LDLコレステロール血症患者には当てはまらない点に注意したい。


脂質低下薬で死亡リスク増?


千葉大学細胞治療内科学講座教授の横手幸太郎氏は、
「LDLコレステロール値を下げたら死亡が増えるという懸念は、
これまでの様々な研究結果から否定されている」と断言する。
J-LITの結果については、
「癌や肝硬変などの患者はコレステロール値が低くなるので、
そうした疾患の患者が隠れていた可能性などを考慮して、
解釈する必要があるだろう」と続ける。


 ま と め
コレステロール摂取制限が撤廃されたのは健康な人だけ。
コレステロール血症患者は従来通り制限が必要
● LDLコレステロール値を下げたら死亡が増えるとの説は否定されている