痛み解消!変形性ひざ関節症「まず自分で動く」

痛み解消!変形性ひざ関節症「まず自分で動く」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2016/04/0412.html

痛いときこそ運動を!




変形性ひざ関節症の治療は、まず運動・動くこと。
運動は痛み止めと同等の効果があるという研究報告もあるくらいなんです。
しかも、薬は少なからず副作用がありますが、運動は副作用がありません。
さらに、運動は痛みを抑える以外にも、ひざによい効果がたくさんあります。

運動の効果




運動をすると、ひざを痛める炎症物質の放出が減り、痛みが抑えられます。
それだけではありません。
運動をすることで、ひざ周りの筋肉が丈夫になり、ひざの関節が安定します。
すると、ひざの関節の負担が小さくなり、痛みが和らぐのです。
また、ひざの痛みが再び起こりにくくなるという、高い予防効果もあります。
さらに、筋肉の量が増えるほど血行がよくなり、
ひざの曲げ伸ばしがスムーズになるほか、肥満の解消にもつながります。

運動で増えるマイオカイン




最近の研究では、運動をすると増える
マイオカインという物質がひざによい働きをすることがわかってきました。
マイオカインは血管を通ってひざ関節に届き、
筋肉を太くする、脂肪を分解する、骨を強くするといった働きをします。
これまで筋肉は骨や関節を支えるだけのものだと考えられていましたが、
実は体によい働きをする物質を分泌していることがわかってきたのです。
太ももなどの下半身の筋肉は体全体の筋肉の約60%を占めます。
つまり太ももなどの筋肉を動かすことで、
効率良くマイオカインを産生することができるのです。

3種類の運動を組み合わせるのが理想




変形性ひざ関節症の治療によい運動とは、
ひざに強い違和感や痛みを出さずに、下肢に負荷をかける運動です。
具体的には、筋トレ、ストレッチのほか、
ウォーキング、自転車、水中ウォーキングなどの有酸素運動の3種類です。
ひざに痛みがあっても運動を習慣にすることで、
多くの患者さんが痛みの軽減を実感しています。
重度の方にも運動の効果は期待できますが、
ひざの軟骨がまだ残っている軽度・中等度の人は、
特に運動の効果が得られやすいと考えられています。

おすすめ!脚上げ運動

変形性ひざ関節症の人におすすめの運動療法は、脚上げ運動です。
1.あおむけに寝ます。
2.片方のひざは楽に曲げて立てひざに、もう片方はまっすぐに伸ばします。
3.伸ばしているほうの脚を床から10cm程度上げて、5秒間静止させます。
4.ゆっくり床に下ろします。
1日左右20回ずつ行いましょう。


ポイントは脚を上げる前にひざ裏を床に押しつけることです。
床にひざ裏がつかない場合は巻いたタオルなどをひざの下に敷くと、
脚をまっすぐの状態に近づけることができます。


痛み解消!変形性ひざ関節症「装具・薬を使うとき」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2016/04/0413.html

運動がつらいとき




変形性ひざ関節症の治療は、まず運動することです。
しかし、どうしてもひざが痛くて運動できない場合、
薬を使おうと考えがちですが、それは違います。
実は、薬を使う前に装具を使って運動ができるかどうか試してみることが大切なのです。
というのも、運動は薬と同等の痛みを軽減する効果があるだけでなく、副作用がありません。
また、運動もすることで、ひざの周りの筋肉が鍛えられ、
ひざへの負担が減って痛みが少なくなれば、さらに運動ができ、
ひざの痛みが少なくなるという好循環になるかもしれないのです。

サポーターと足底板

代表的な装具にサポーターと足底板があります。
サポーターはひざの周囲を覆うもので、ひざ関節を支えて動きを安定させます。
ベルトなどで固定するものや、金属やプラスチック製の支柱が入っているものなど、
いくつかの種類があり、ひざの状態に合うものを使います。
足底板は、かかとの外側が厚くなっている中敷きで、
変形性ひざ関節症でO脚の人が使います。
足底版を使うと内側が低くなって、結果的に脚の骨がまっすぐになるので、
ひざの骨と骨が当たらず、ひざが安定し、痛みが軽くなるのです。

それでも痛みがあるとき




装具を使っても症状が改善しない場合には薬を使います。