糖尿病 体重コントロールが決め手

体重を減らせば糖尿病は治せる? 体重コントロールが決め手
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/023444.php


●体重をコントロールすればインスリン抵抗性を改善できる
「肥満や過体重のある糖尿病患者は、体重を5%以上減らせば
“糖尿病が治ったのに近い状態”を維持できることが多いのです。ただし、
いったん体重を減らしても、元の状態にリバウンドしてしまう人も少なくありません。
適正な体重をずっと守る必要があります」と、
ニューキャッスル大学のロイ テイラー教授は説明する。


「体重を減らすことで、インスリンが効きにくくなる
インスリン抵抗性”の改善を期待できます。
減量に成功した患者をコンピュータ断層撮影(CT)で検査したところ、
内臓や肝臓にたまった脂肪が30%以上減っていることが分かりました。
糖尿病を発症してから10〜15年が経過した人でも、減量の効果は期待できます」
と、テイラー教授は指摘する。


テイラー教授は、2型糖尿病患者が体重コントロールを続けるために、
次のことをアドバイスしている――


◆ まずは1日の摂取エネルギーを100kcal減らす
まずは1日の摂取エネルギーを100kcal減らすという方法から始める。
1日の摂取エネルギーを2,000kcalとすると、100kcalはその5%に過ぎなく、
日常生活に大幅な変更を強いられるようなダイエットをする必要はない。
日常の生活の中で少し努力すればよいのだ。


◆ 空腹感を感じるのは成功に近づいている証拠
食事の量を減らすのが難しいという場合は、
週の2日を普段の量の3分の2に減らすことから始める。
空腹感を感じるのは、あなたの体重コントロールが成功に近づいている証拠だ。
まずは空腹感に慣れることから始めよう。


◆ 栄養バランスを考える
栄養バランスを考えて食事をする。
栄養素によってエネルギー量は異なることに注意する。
1kg当たりのエネルギー量は
「脂肪 9kcal」「炭水化物 4kcal」「タンパク質 4kcal」「アルコール 7kcal」。
どの栄養素も摂り過ぎると血糖コントロールの悪化につながるが、
もっとも高カロリーなのは脂肪だ。
野菜を食べる量を増やし、炭水化物の摂り過ぎに注意し、
タンパク質と乳製品を定量摂取するようにすると、栄養バランスは改善する。


◆ 20〜30分の活発なウォーキングを毎日行う
運動をすることで、ブドウ糖脂肪酸の利用が促され、血糖値が下がる。
また、運動することで筋肉が増え、体のエネルギー消費量を増やせる。
運動は継続することが大切なので、20〜30分の活発なウォーキングを毎日行うようにしよう。


◆ 運動をした分だけ食事を増やせるわけではない
ただし、運動で消費するエネルギーはそれほど多くないことに注意が必要。
体重65kgの人が30分の活発なウォーキングで消費できるエネルギーは170kcal程度。
「運動をした分だけ食事を増やせる」という考えは間違えだ。


◆ ダイエットを勧められない人
アルコールの飲み過ぎなどが原因で膵臓に炎症が起こり発症する糖尿病や、
糖尿病の家族歴をもつ遺伝性の糖尿病では、極端なダイエットは勧められないという。
また、長い時間をかけて1型糖尿病を徐々に発症する「緩徐進行1型糖尿病」は
2型糖尿病に間違われることがある。