膵臓β細胞を増やす「ベータトロフィン」 米ハーバード幹細胞研が発見
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2013/020059.php
インスリンを分泌するβ細胞の産生を促すホルモンを発見したと、
ハーバード幹細胞研究所が発表した。
糖尿病の完治につながる画期的な発見となる可能性がある。
ハーバード幹細胞研究所のダグ メルトン氏ら研究チームは、
β細胞の増殖を強力に刺激するホルモンを発見し、
「ベータトロフィン(betatrophin)」と名付けた。
新たな糖尿病治療法の開発に結びつく発見の詳細は、
「Cell」5月9日号に発表される予定だ。
妊娠した女性では、胎児の生育や体重増加に合わせて、インスリンの必要量が増える。
健康であればβ細胞の数が増えインスリン産生が増えるが、
それをコントロールしているホルモンがあるはずだと研究チームは考えた。
その結果、ベータトロフィンを増やすと、
β細胞の数が特異的に増えることを発見した。
マウスを使った実験で、ベータトルフィンは平均的なマウスに比べ、
β細胞の生成を最大で30倍も高めることが判明した。
ベータトロフィンを増やすことで血糖値が低下することも確かめた。
ベータトロフィンを体外から供給すれば、
効果的に糖尿病を治療できる可能性がある。
まだ実験マウスを使った研究の段階だが、
このホルモンはヒトの体内にもあるという。
「β細胞の減少は、糖尿病の根本的な問題です。
多くの2型糖尿病患者では、糖尿病と診断された段階でβ細胞は減少しています。
インスリン分泌を刺激する治療法だけでは、β細胞の再生を期待できません」
と、メルトン氏は述べている
Potential Diabetes Breakthrough(ハーバード幹細胞研究所 2013年4月23日)