ザルティア

【新薬】排尿障害治療薬 タダラフィル
ザルティア:PDE5阻害作用で排尿障害を改善
北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201403/535677.html


2014年1月17日、排尿障害治療薬タダラフィル
(商品名ザルティア)の製造販売が承認された。
適応は「前立腺肥大症に伴う排尿障害」で、1日1回5mgを経口投与する。
成分のタダラフィルは、既に2007年9月から勃起不全治療薬(商品名シアリス)として、
2009年12月からは肺動脈性肺高血圧症治療薬(商品名アドシルカ)として、
臨床使用されている。


タダラフィルは、尿道前立腺の平滑筋細胞において
ホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害することにより、
局所のcGMPの分解を阻害し平滑筋を弛緩させる。
これにより、下部尿路組織における血流及び酸素供給が増加し、
前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状が緩和されるものと考えられている。


前立腺肥大症に伴う排尿障害患者を対象とした
日本人を含む臨床試験(LVIA、LVHB、LVJF試験)では、
前治療の有無や原疾患の重症度、年齢にかかわらず、
タダラフィルは幅広い患者層に投与可能であり、有効だったことが確認されている。
今回の適応では、2011年10月に米国で、2012年10月に欧州で承認されている。


本薬は、承認時までに、
消化不良、頭痛、CK上昇、筋肉痛、ほてりなどの副作用が認められており、
さらにStevens-Johnson症候群を含む重大な過敏症も報告されているので、
使用時には十分な注意が必要である。