誰にも聞けないおしっこの悩み

誰にも聞けないおしっこの悩み 我慢は禁物
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO67537250Y4A220C1W13001/



日本大学板橋病院泌尿器科主任教授の高橋悟さんは
「膀胱と尿道の機能のバランスが、
加齢によって崩れることが尿トラブルのはじまり」と話す。


◆40歳以上の12%
例えば、膀胱が尿をためる働きに不調をきたすと
1日の尿の回数が増えたり(頻尿)、
夜何回もトイレに起きたり(夜間頻尿)する。
突然、我慢できないほどの尿意(尿意切迫感)でトイレにかけこんだり、
途中で尿をもらしたり(切迫性尿失禁)することもある。


膀胱炎、糖尿病など他の病気がないのに、
こうした尿トラブルで日常生活に支障をきたすようになった状態が過活動膀胱だ。
有病率は40歳以上の人の12.4%で推定患者数は810万人だが、
実は、この数字にほとんど男女差がない。


尿トラブルの男女の差をもたらしているのは尿道の違いだ
女性は男性より尿路が短い。


妊娠や出産、加齢などにより尿道を支える骨盤底筋がゆるんでくると、
くしゃみをしたり、重い荷物を持ち上げたりするときなどに
尿もれする腹圧性尿失禁という症状を起こすことがある。
女性は尿もれしやすいために、過活動膀胱でも切迫性尿失禁を起こしやすい。
そのため女性の尿トラブル=尿もれというイメージになった。


男性の場合は、尿道のまわりを前立腺がドーナツ状に取り囲んでいる。
尿道および前立腺の加齢変化にともなって排尿しにくくなることが多い。


高橋さんは
「おしっこが近くなると同時に尿もれしやすくなるのが女性、
おしっこが出にくくなるのが男性と考えれば分かりやすい」と話す。


◆目安は「3時間」
加齢に伴い誰にでも起こる尿トラブルだが我慢は禁物。
高橋さんは「おしっこを3時間我慢できなくなったら泌尿器科へ」と話す。


映画は3時間以内で終わるし、会議も3時間に1回程度で休憩が入る。
3時間我慢できないということは、仕事や日常生活に支障をきたしている状態だ。


男女とも病気の予防にも有効なのが骨盤底筋運動だ。
尿道、肛門をギューッと締め付ける動作を10回以上くり返すものだ。
薬物治療をしながら1日に4〜5セット。
全体では1日60〜80回することで症状は軽減するという。
このほか尿意をがまんする「膀胱訓練」などもあるので、
泌尿器科でよく相談するといいだろう。