医薬部外品、薬との違いは?

質問なるほドリ
医薬部外品、薬との違いは?
http://mainichi.jp/opinion/news/20130918ddm003070167000c.html



◇弱い効き目、国の承認は必要
なるほドリ 
肌がまだらに白くなるって問題になったカネボウ化粧品の美白化粧品は、
厚生労働省が製造販売を承認していたそうだね。ということは薬なの?


記者 
いいえ。医薬品ではなく「医薬部外品」に当たります。
薬事法という法律に基づく分類です。
肌に潤いを与える薬用化粧品や体のにおいを防ぐ薬用せっけん、育毛剤医薬部外品です。
虫歯を防ぐ歯磨き粉や浴用剤、蚊やゴキブリを退治する一部の殺虫剤も同じです。


 Q 医薬品と、どう違うの?


 A 医薬品は病気を治療するためのものですが、
医薬部外品は体に出るさまざまな症状の防止を主な目的にしています。
医薬品に比べて効き目が弱い分、副作用も少ないので、スーパーでも手軽に買えるんです。
栄養ドリンクやトローチ剤などは、もともと医薬品でしたが、
1999年に医薬部外品になりました。
効き目が強い栄養ドリンクは今も医薬品として販売されています。


 Q どうやって承認されるの?


 A 新しく開発されたものを製造販売するには、
医薬品と同じように国の審査を受ける必要があります。
メーカーは動物実験をした後、人に使ってもらって安全性に問題がないか調べ、
試験のデータを「医薬品医療機器総合機構」という審査機関に提出します。
機構が試験結果が適切か審査して厚労省の専門家会議に報告し、
会議で問題ないと判断されれば承認されます。
ただし、医薬品ほど細かい試験は実施されていませんし、
前から使われている成分しか含まない歯磨き粉などの審査は都道府県が担当します。


 Q 安全だと認められたのに副作用が出たってこと?


 A 市販されて多くの人が商品を使うと、
試験では分からなかった副作用が見つかるケースもあるんです。
予想していなかった副作用が出た場合、メーカーは国に報告する義務があります。
医薬部外品の場合、学会などでまとまった被害が公表されたら報告することになっていました。
でも、2011年に薬用せっけんを使った人がアレルギーで重症になる被害が多く出たため
厚労省は副作用の疑いを指摘されたら1カ月以内に報告するようルールを変えました。
カネボウは「白斑(はくはん)」被害を自社商品の副作用だと思わなかったため
報告も遅くなり、被害を拡大させたと批判されていますが、
国も審査や副作用の報告制度に問題がなかったか、改めて調べる必要があります。