Warning: Smoking Is Hazardous to Your Employment .
警告:喫煙はあなたの雇用を害する恐れがあります
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323366004578409463685069482.html
米国の成人喫煙率
企業が標的にしているのは太り過ぎの社員だけではない。
喫煙者もやり玉に上げられている。
数は多くはないものの
喫煙者の採用を拒否する企業はここ数年間で増加している。
企業側は無料の禁煙プログラムや報奨金を用意して
喫煙者に禁煙を促したが、効果がなかったと説明している。
一部の医療専門家は
喫煙者の削減には最終的にはそれだけの価値があるとして
この方針を支持している。しかし、連邦政府の統計から
貧困・低教育層の喫煙率が高いことがわかっており
喫煙者の採用を拒否する方針はこうした人たちを標的にするという意味で
倫理的な一線を越えるものだと指摘する専門家もいる。
米国企業の中で、喫煙との関連で
社員に報酬を与えたり罰則を科したりする企業は約4割に上る。
しかし、喫煙者の採用を拒否する動きは勢いを増しつつあり
健康に関する企業団体のナショナル・ビジネス・グループ・オン・ヘルス(NBGH)と
コンサルティング会社タワーズワトソンの最近の研究によると
企業の約4%がこの方針を導入済みで、2%が来年の導入を予定している。
喫煙者の採用を拒否することは21の州で合法とされている。
多くの企業は就職希望者に喫煙するかどうかを質問するだけだが薬物検査の一環として
ニコチン反応を調べるための尿検査を義務付ける企業も少ないながらある。
当然のことながら、医学界では論争が起きた。
例えば、ペンシルベニア大学ヘルス・システムが
今年7月から喫煙者を採用しないと発表すると2つの医療研究者グループが
この問題について主張が真っ向から対立する論文を執筆した。
この2本の論文は先ごろ
ニューンイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。
このうちの1本を共同で執筆したエゼキエル・エマニュエル氏は
喫煙者の採用拒否は
喫煙率の高い貧困・低教育層に対する差別だと主張している。
喫煙率は連邦政府の定める貧困ライン以下で暮らす人や
高校の教育を受けていない人のほうが高い。
これに対し支持派は、企業は他の方法も十分に試したが
さらに厳しい取り組みが必要になっている、と主張する。
喫煙者の採用拒否を支持する論文を共同で執筆したデービッド・アッシュ氏は
喫煙者は採用を拒否されることで、ニコチン離脱よりも
つらいものになりうる社会的な結果に直面すると述べた。
企業側は確かに、穏便な手段を試したものの残念な結果に終わったと説明している。
喫煙者を採用しない方針を2007年に導入したクリーブランド・クリニックの
デロス・コスグローブ最高経営責任者(CEO)によると
最初は敷地内での喫煙を禁じたり、無料の禁煙治療を提供したりしたという。
しかし、喫煙者の採用を続ける限り
「タバコを吸う医者が患者に喫煙をやめるように指示する」ようなものだった
とコスグローブ氏は話している。
採用しない方針について当初は懐疑的な見方もあったが
「実際にはお礼を言われることが多い」そうだ。