薬剤師としての勉強です。
バターを植物油に置き換えると死亡リスクが低下する
オリーブ油や大豆油、オリーブ油以外の植物油でも、ほぼ同様の影響
2025/6/18
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/15/050800004/060600296/?waad=abLZtgAl
バター摂取量の増加は、あらゆる原因による死亡(総死亡)と
がんによる死亡のリスク上昇に関係すること、
バターを同量の植物油に置き換えると、
総死亡リスクとがん死亡リスクが低下することが、
米国在住の約22万人を対象とした研究(*1)で、示唆されました。
*1 JAMA Intern Med. 2025 May 1; 185(5): 549-560.
(前略)
バターをとると総死亡リスクは上昇 植物油では低下
結果に影響を与える要因を考慮して分析したところ
バター摂取量における最高四分位群は、
最低四分位群と比較して、総死亡リスクが15%高く、
摂取量が増えるにつれてリスクが上昇する傾向は有意でした(傾向性あり)。
一方で、植物油については、最高四分位群の総死亡リスクは、
最低四分位群と比較して16%低く、傾向性も有意でした。
植物油の種類別に検討したところ、摂取量が5g/日増加あたりの総死亡リスクは、
オリーブ油は8%低下
キャノーラ油は15%低下
大豆油は6%低下することが有意に示されましたが、
コーン油、ベニバナ油との間には有意な関係は見られませんでした。
続いて、死因別死亡との関係を調べました。
植物油の摂取量が10g/日増加するごとに、
がん死亡リスクは11%低下し(傾向性は有意)、
CVDによる死亡リスクは6%(傾向性は有意)低下する一方で、
バターの摂取量が多いと、がん死亡リスクが12%上昇(傾向性は有意)することが示唆されました。
バターの摂取とCVDによる死亡リスクとの間には有意な関連は認められませんでした。
バターを植物油に置き換えると総死亡、がん死亡リスクが低下
さらに、バター10g/日の摂取を同量の植物油に置き換えた場合の影響を検討しました。
得られた結果は、置き換えにより総死亡リスクが17%低下し、
がん死亡リスクも17%低下すること、置き換える植物油は、
オリーブ油や大豆油、オリーブ油以外の植物油でも、
総死亡とがん死亡に対する影響はほぼ同様であること、
置き換えは心血管疾患による死亡のリスクには有意な影響をもたらさないことを示唆しました。
この研究で、バター摂取量の増加は死亡リスクの上昇と関係し、
植物油摂取量の増加は死亡リスクの低下と関係すること、
バターを植物油に置き換えると、総死亡とがん死亡のリスクが低下する可能性が示されました。