mRNAが次世代薬けん引

コロナワクチンで一躍主役、mRNAが次世代薬けん引
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2021M0Q1A520C2000000/?unlock=1
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「mRNA医薬」が注目を集める。
がんやHIVなどを対象にした新薬を目指し、
モデルナなどが臨床試験を進めている。
人工合成でき、病気に合わせた創薬が容易なことから、
医療にイノベーションを起こす可能性がある。

mRNAをワクチンに利用するアイデアは1990年代からあった。
だが体内で分解されやすいという課題があり、実用化が進まなかった。

壁を壊した立役者の一人が、
現在ドイツのビオンテックで上級副社長を務めるカタリン・カリコ氏だ。
ハンガリー出身で同国の大学で博士号を取得後、渡米。
89年には米ペンシルベニア大の助教授に就き、
mRNAを治療に役立てる研究に取り組んだ。

mRNAをただ生物に投与しても、免疫によって異物として除かれてしまう。
カリコ氏はmRNAの一部を改変すると
免疫を逃れやすくなることを見つけ、2005年に論文発表した。
これが新型コロナワクチンの開発に欠かせない成果となった。

イデア段階から30年。
mRNAを特殊な微粒子に包んで
体の狙った場所に送り込むような周辺技術の蓄積も進み、
実用化に必要な条件が整ってきた。
扱いが難しく効果が出にくいとみられていたmRNA医薬は、
創薬の傍流から主役になるかもしれない。