アジアLCC 淘汰の足音
台湾・復興系、10月運航停止 中華航空も撤退検討 体力勝負の様相
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07047980Y6A900C1FFE000/
「大阪・名古屋・福岡〜台北路線が片道3600円から」。
復興航空系LCC、Vエア。
今年夏、思い切った格安運賃を前面に出したキャンペーンの予約開始からわずか半月後、
全線の運航を9月末までで停止する決定に追い込まれた。
羽田や関西、中部のほか、茨城や那覇にも就航し、
日本線を主力としてきたが、運賃競争に耐えきれなくなった。
中華航空も傘下の台湾虎航(タイガーエア台湾)で運営するLCC事業の見直しに着手。
中華航空の何煖軒董事長は今月1日、
「改善できないなら撤退もありうる」と厳しい表情で語った。
虎航は中華航空が90%、残りをシンガポール航空傘下のLCCのタイガーエアが出資する。
何董事長は「年末までにタイガー側と話し合って結論を出す」と話す。
Vエアと虎航はともに2014年に就航。
日台間の観光客需要が拡大するという想定は的中したが、
台湾交通部(交通省)の統計によると、
今年7月の日台間のフライト回数は計6千回超と2年前に比べ4割も増えた。
平均で1日100往復している計算になる。
日台間では日本のLCCのピーチやバニラ・エアも路線新設や増便を競ってきた。
シンガポール航空傘下のスクートも交えた競争で運賃は急低下した。
LCCは低運賃のため、採算ラインとなる搭乗率は70〜80%と
一般に比べ10%程度高いとされる。
Vエア、虎航は本拠地の台湾桃園国際空港発着便での搭乗率が70%を割り込む月が多く、
赤字が膨らんだもようだ。