TPP 食品値下げに期待

TPP:大筋合意 食品値下げに期待 消費者の選択肢拡大
http://mainichi.jp/shimen/news/20151006ddm008020051000c.html



TPPが発効されれば、農産物や食品など
幅広い品目で関税が撤廃・削減され、家計や外食産業に恩恵が広がりそうだ。
国内産業の保護のために高関税が課されてきた牛肉やワインなどの小売価格が
下がることが期待されるほか、輸入拡大によって消費者の選択肢も広がるとみられる。
一方、食品添加物の基準など「食の安全」に関するルールについてはほとんど変更がなく、
TPPで安全が脅かされる恐れはなさそうだ。


TPP交渉の大筋合意を受け、
日本をはじめ12カ国は各国内の了承を得る手続きを始める。
順調に進めば、TPPは2017年にも発効することになる。


TPP交渉で、関税が即時撤廃されることが決まった品目は、
協定発効時に直ちに関税がゼロとなり、すぐに輸入品の値下がりが期待できる。
一方、牛肉やワインのように一定期間かけて段階的に関税を引き下げる品目もあり、
恩恵は徐々に広がることになる。


例えば、現在38・5%の関税がかかっている牛肉の場合、
9%まで関税が引き下げられる見通しで、豚肉も大幅な引き下げとなる。
牛肉価格は外国産が国産の3分の1程度、豚肉は国産の約4割程度とされており、
関税引き下げで、精肉のほか、ハム・ソーセージなど加工品や、
牛丼やハンバーガーなどの外食の値下がりも期待できる。


国内消費が拡大しているワインは、
輸入価格の15%か、1リットル当たり125円の関税がかかっているが、
段階的に関税が撤廃される見通し。
TPP交渉参加国のうち、すでにチリ、豪州とは
2国間の経済連携協定(EPA)で関税引き下げなどを約束しているが、
新たに米国やニュージーランド産のワインも安く輸入できることになる。


バターやチーズなどの乳製品は無関税・低関税の輸入枠を拡大する方向。
バターは慢性的な供給不足が続いてきたが、
ニュージーランドなど酪農大国からの輸入が拡大すれば、
不足が解消される効果も期待できる。
このほか、靴やバッグなど革製品の関税も下がるとみられる。


TPP交渉を巡っては当初、
食品添加物残留農薬などの安全基準が米国の要求で緩和される」
との懸念が根強かった。
しかし、合意内容は世界貿易機関WTO)のルールを追認するものとみられ、
日本が安全基準の緩和などを迫られることはなさそうだ。