アベノミクス

アベノミクスは“表面化粧” 必要なのは俯瞰の視点
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130210/ecn1302100709000-n1.htm
 大前研一のニュース時評


96−97年当時に37万円だった給料が、今では31万円。
年間で72万円強の減少だ。
ただ、こんな状況なのに、飢えている人は少ない。
ホームレスも増えてはいない。


これはセーフティーネットがしっかりしていることも挙げられるが
最も大きいのはデフレだ。
マクドナルドやコンビニ弁当を組み合わせると、何とか生きていけるからだ。


そもそも、先進国で年収が10年間に
100万円近くも下がった国など、どこにもない。
これに雇用の不安がからんでくる。
給料が高くなると、企業は「海外に行くぞ」と脅かす。
したがって、給料が上がる見込みはないというわけだ。


金融や財政などマクロ経済が中心のアベノミクス
この問題に対処できるとは考えられない。
順序からすればまず企業の収益が改善し
労働分配率が同じなら給料が上がることになる。
しかし現状ではとてもそこまで届かず、はるか手前で止まってしまっている。


一見、好調に見えるアベノミクスは、やはりマクロ経済の表面化粧に過ぎない。