乳酸アシドーシス

乳酸アシドーシス発症防止のポイント
https://ds-pharma.jp/product/metglco/knowledge/information/index.html



Q:ビグアナイド薬の副作用として乳酸アシドーシスの症例が報告されています。
メトグルコを使用する際、どのような点に留意すればよいのでしょうか?


A:「メトグルコを使ってはいけない患者」に投与しなければ
乳酸アシドーシスが発症することはほとんどありません。
したがって、禁忌症例を見逃さないことが大切です。


乳酸アシドーシスは、様々な原因によって血中に乳酸が蓄積する結果
血液が著しく酸性に傾いた状態です。
乳酸アシドーシスの進行を放置したままだと昏睡状態に陥り
死亡率は約50%とされています(図1)。


乳酸アシドーシスはビグアナイド薬の投与による特異的な副作用ではなく
循環器不全などによる低酸素血症、糖尿病、肝疾患、悪性腫瘍など
基礎疾患を有する場合に続発しやすくなります。


メトホルミンによる乳酸アシドーシスの発現としては
1995〜1996年の期間に米国で推定約100万人に投与され
そのうち47例が乳酸アシドーシスと確定診断されました。
その患者背景をみると、乳酸アシドーシスの危険因子として症例数が多いのは
「心疾患合併」「腎機能障害合併」「80歳以上」でした。
Stadesらの報告でも
乳酸アシドーシスの慢性危険因子として症例数が多いのは
「心血管系疾患」「慢性腎不全」という結果になっていますが
ここで注目したいのは
「急性腎不全または慢性腎不全の急性増悪」「造影剤による急性腎不全」「ショック」
などの急性危険因子が乳酸アシドーシスの発症に大きく関わっているという点です


メトホルミンは肝臓で代謝されず、大部分は腎臓から排泄されます。
そのため、中等度以上の腎機能障害患者や透析患者では
体内にメトホルミンが蓄積する可能性があり、投与禁忌となります。