エバステル 

第15回日本アレルギー協会九州支部沖縄県部会講習会 大日本住友

Okinawa Harborview Crowne Plaza

特別講演

 「薬疹を見逃さないために」
◎ 塩原哲夫先生(杏林大学医学部皮膚科学教室教授)



小児では薬疹は少ない。
多くはウイルス性発疹である。
同様のことは蕁麻疹でもいえる。


1.皮疹を伴うウイルス感染:麻疹、風疹、水痘など
2.皮疹を伴うこともあるウイルス感染:EB、サイトメガロなど
3.皮疹を伴わないウイルス感染:インフルエンザ、ロタ、肝炎ABCなど


Point: 末梢優位の皮疹はウイルス性(マイコプラズマ)が多い


ティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死融解症(TEN)はほぼ同じ。
粘膜がやられる。口唇と陰部、しばしば耳が赤くなる。
TEN(toxic epidermal necrolysis)はさらに進展したもので、死ぬこともある。
ずるむけになる。目のびらんもある。
http://www.dermatol.or.jp/QandA/drug-rash/q02.html
http://www.dermatol.or.jp/QandA/drug-rash/q01.html


Point: 粘膜症状が重症なものは薬疹を疑う。


ブフェキサマク(アンダーム)は販売中止になったが、OTCにはまだ残っている。
ブフェキサマクによる皮膚炎は1回塗っただけでも起こる。溶連菌が関係。


薬剤性過敏症症候群
DIHS:Drug-induced hypersensitivity syndrome
限られた薬剤の内服3週間以上で発症。
38度以上の発熱。顔面、頸部リンパ節の浮腫。表皮はむけない。肝障害も起こる。
原因薬中止後も遷延し、かえって悪化する。
ウイルス性感染と鑑別できない。


原因薬
カルバマゼピンテグレトール
・フェニトイン(アレビアチン)
・ゾニサミド(エクセグラン)
フェノバルビタール
・サラゾスルファピリジン
・メキシレチン(メキシチール
・アロプリノール(ザイロリック)など
http://www.dermatol.or.jp/QandA/drug-rash/q03.html


まとめ
1.薬疹とウイルス性発疹の鑑別は難しい
2.重症薬疹は粘膜を冒す
3.外用薬でも重症薬疹様となりうる
4.1年以上内服した薬剤でも薬疹はおこりうる
5.乳幼児の薬疹はきわめて少ない。