原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症とは、どんな病気?
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=35753


Question

43歳女性
原発性アルドステロン症と診断され
降圧薬を服用していますが、血圧が高くなかなか下がりません。
原発性アルドステロン症とはどのような病気でしょうか。

Answer

腎臓の上に副腎が左右にあります。
副腎は、小さなホルモン分泌臓器で、血圧や糖を正常に保ったり
男性ホルモンを作って成長発育や筋肉を増やしたり、
骨を強くしたりする大事な内分泌臓器です。


特に、体に食塩を貯め込む作用がある鉱質ステロイドホルモンをアルドステロンと呼んでいます。
副腎に腫瘍が出来て、過剰にアルドステロンが出来すぎてしまい
その結果、高血圧になってしまう病気を原発性アルドステロン症と呼んでいます。


この病気は、的確な診断で外科的処置により治癒が期待できる高血圧症です。特に
(1)薬が効きにくい難治性高血圧の方
(2)家族内に、この病気の患者がいる
(3)若いのに脳卒中を起こしたことがある
などに該当する高血圧患者にこの病気の頻度高いとも言われています。


最近の研究で、原発性アルドステロン症が
高血圧症の5〜15%を占める、頻度の高い病気であることが分かってきました。


また、特徴は、食塩が体内に貯まりすぎて尿にカリウムが多めに出てしまい
カリウム血症となり、その結果筋力が低下したり、こむら返りを起こしたり
あるいは多尿すなわち夜休んでいても何度もトイレに立つ事になります。


しかし、大半は高血圧のみが特徴で、特別な症状を示さない場合が多く
この病気の存在を疑うことで初めてその診断に至る患者さんが多いです。
普通のいわゆる本態性高血圧症と比較しますと、原発性アルドステロン症で
脳卒中が4.2倍、心筋梗塞が6.5倍、心房細動が12.1倍
左室肥大が1.6〜2.9倍高率に発症します。


治療法としては、外科的処置、並びに、薬物療法です。
薬物としては、アルドステロン拮抗剤(スピロノラクトン、エプレレノン)を基本に用います。


横浜労災病院 院長 西川哲男先生
(2011年1月20日 読売新聞)


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