ウリトス

沖縄県内科医会学術講演会 杏林製薬

那覇市医師会館

特別講演

夜間頻尿と睡眠障害
内村直尚先生(久留米大学医学部精神神経科学教授)


夜間排尿は転倒・骨折の危険因子
夜間排尿2回以上は治療する。
ウリトス投与により、第一覚醒は2.9時間から3.6時間に延長した。


睡眠薬抗不安薬はすべてCYP3A4で代謝される。
ウリトスは抗コリン剤の中で唯一グルクロン酸抱合されるため
薬物相互作用の発現リスクが低く、睡眠薬抗不安薬と併用しやすい。


昼食後に30分以内の昼寝をするのが良い。
最も眠くなるのは午前2時と午後2時であり、この時間帯は交通事故も多い。
15時以降の昼寝はよくない。


週に3回以上の慢性不眠では睡眠薬の連日投与を行い、急に中断しないよう指導する。
睡眠薬は最小用量から始める。(その日からすぐ眠れる量は処方しない)
少なくとも1週間連続服用させ、不眠の頻度の変化、日中の状態で効果を判定する。
投与開始時に治療目標を設定し、最終的には睡眠薬の中止を原則とする。
しかし、副作用がなければ継続してかまわない。
OTCドリエル)は耐性や依存性が強いため慢性不眠には使用してはいけない。


「不眠時」処方はしてはいけない。不眠症を悪化させる。
眠れても眠れなくても連日投与を原則とする。


1週間が1つの単位。1日でも2日でも眠れるようになったら効果ありとする。
患者は眠れるようになったら睡眠薬を減らそうとするが、勝手に減量しないよう指導する。
早すぎる減量は不眠を悪化させる。


ロゼレム
半減期は短いが関係ない。スイッチを入れるだけ。
用量依存性もない。効かなければ用量を増やしても効かない。


高齢者にハルシオンを使ってはいけない。
筋弛緩作用強く、依存性も強い。デパスも筋弛緩作用強い。


お勧めは
1.マイスリー
2.アモバン
3.リスミー
肝機能障害があればエバミール


睡眠薬は呆ける」という患者がいるが
むしろ飲んでいたほうが呆けない。不眠を放っておくほうが呆ける。
健忘は起こすが呆けることはない。ハルシオンは最も健忘を起こしやすい。
薬を飲んでからテレビを見たりせずに、すぐにベッドに入れば健忘は起こさない。