静岡新聞「薬の相談室」より
質問
67才女性。
睡眠薬を飲んでいるのですが、長く飲んでいると
癖になってやめられなくなりそうで心配です。
回答
睡眠薬を飲んでいると癖になってやめられなくなる
という心配をされる方は少なくありません。
しかし、癖になることを心配するあまり
自己判断で飲んだり飲まなかったりすることは、不眠症の治療にとって逆効果です。
薬を飲まないことで、眠ろうとしても眠れない、という経験が重なり
不眠症が悪化してしまうと、かえって睡眠薬の減量や中止が困難になることもあります。
現在、多く使われている睡眠薬は安全性が高い薬です。
医師の指示を守って使用している限り、大きな問題が起こることはありません。
睡眠薬をやめるためには、まず、よく眠れているという自覚が必要です。
睡眠薬を使って眠りが安定し、本人が眠れていると実感できるようになれば
薬をやめることを考える時期になったと言えますが、あせりは禁物です。
眠りが安定したと思っても、1〜2ヵ月は様子を見ましょう。
ストレスや、また不眠になったらという心配から睡眠が不安定になることもあります。
眠りが安定し1〜2ヵ月たったら睡眠薬の減量ですが
必ず担当の医師の指示にしたがって減量していきましょう。
大石順子先生 静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
