トリケミカル研究所

トリケミカル研究所 ニッチな薬品、少量多種
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO41706990V20C19A2TJP000?unlock=1


トリケミカル研究所は
半導体光ファイバーの製造に用いる純度99.9999%の化学薬品の開発、製造を手がける。

「気がついたら競合他社がいないガラパゴスのような会社になっていた」。
太附聖社長は自社の立ち位置をこう説明する。

同社の納入先の8割は半導体関連産業。
業界では微細化が進み、
配線のピッチ(端子の間隔)は
10ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下と、
インフルエンザウイルスの10分の1にまでなった。
幅が狭くなれば従来の絶縁膜では電気を通してしまう。

だが、同社の「High―k材料」と呼ばれる誘電率の高い膜は、
電気を通しにくく微細化にも対応できる。
国内外から引き合いが増え、
2018年1月期まで4期連続で純利益の最高を更新してきた原動力だ。

同社は1年に約200種類の材料を出荷し上位20種類が売上高の8割を占めるが、
同業大手が量が少なすぎコストがあわず
手がけない分野も一つ一つ拾い「ガラパゴス」になった。
今は値下げ圧力が働きにくくなり
「値付けが自由にできる」(太附社長)という。

目を引くのが海外売上高比率の伸びだ。
18年1月期は60.9%と5年前のほぼ倍になった。
世界最大手のファウンドリー(半導体受託生産会社)がある
台湾向けが海外売上高の約90%を占めた。

一段の事業拡大を狙い、3月には台湾に初の工場を着工する。
20年竣工予定で、23年ごろに本格的な出荷を始める。
研究開発機能も置き、現地でも少量多品種の路線を貫く方針だ。

韓国にも足がかりをつくった。
16年に韓国SKマテリアルズと合弁会社を設立し、
18年下期から韓国半導体大手SKハイニックスへの材料の提供を本格的に始めた。
サムスン電子などへの供給も視野に入れる。


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https://diamond.jp/articles/-/285493