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アステラス、7期連続増配へ 19年3月期まで
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO71990640Z20C14A5DTA000/



アステラス製薬は2019年3月期まで年間配当の増額を続ける公算が大きい。
主力薬の特許期間が18年後半まであり、19年3月期までは
業績の拡大基調が見通せるため株主配分を強化する。
前期まで既に2期連続で増配しており、通算では7期連続の増配となる。


今期の年間配当は29円を計画する。
前期は135円配だったが、4月に1株を5株に株式分割しており、
分割考慮後では実質2円の増配。
前立腺がん治療剤「イクスタンジ」の米国販売が3割近く伸びて収益をけん引する。
前期から国際会計基準を採用しており、純利益は減損損失などを考慮しない
コアベースで前期比16%増の1540億円を見込む。


イクスタンジに加え、過活動ぼうこう治療剤「ベシケア」、
抗がん剤「タルセバ」といった主力薬を持つ。
特許が切れる18年後半まで米国で独占的に販売できるため増益基調が見込まれる。


同社は利益から配当にあてる割合を示す「配当性向」の目標は掲げていないが、
業績に応じ配当額を安定的に増やす方針。
今後の増配額は1〜2円が目安となりそうだ。


継続増配には、株主の裾野を広げる狙いもある。
山之内製薬と旧藤沢薬品工業が合併して05年に発足して以来、事業領域を泌尿器疾患やがんなどに絞り込み、研究開発費を効率的に投じてきた。
こうした戦略が外国人投資家に評価され、3月末の外国人株主比率は53%に達する。


半面、低水準にとどまるのが個人株主だ。
個人投資家による持ち株比率は7%にとどまり、
武田薬品工業(32%)、エーザイ(27%)など他の製薬大手との差が大きい。
大衆薬を持たず一般の知名度が低いことが原因とみられ
「会社のファンを増やすためにも個人株主比率をまず10%まで高めたい」(同社)考えだ。


配当利回りの低さも一因」(バークレイズ証券の関篤史アナリスト)との指摘がある。
配当利回りを高めることで、特にNISA経由の個人投資家数の増加を期待している。
武田を筆頭に他の製薬会社が軒並み3%台と高いのに対し、アステラスは2%台前半。
増配で配当利回りを引き上げ、株式の継続保有の魅力を高めたい考えだ。