ニキビと「サヨナラ」 海外の治療薬承認、指針も改訂
症状で使い分け、再発も予防
http://style.nikkei.com/article/DGXKZO08904090Y6A021C1TZQ001?channel=DF130120166089
日本皮膚科学会は今年5月、8年ぶりにニキビの治療ガイドラインを改訂した。
主な変更点は、病気の時期に応じて治療法を分けたことだ。
炎症が進んでいる赤ニキビに対しては、
抗生物質と過酸化ベンゾイル(BPO)、(商品名:ベピオゲル マルホ)
アダパレンという3種類の塗り薬のうち2つを併用する。
症状が重い場合は、抗生物質の飲み薬とBPO、アダパレンを併用することもある。
過酸化ベンゾイルは日本では2015年に承認された薬で、ニキビ菌に対する
殺菌効果のほか皮膚の角質を落とすピーリング効果があり、毛穴が詰まるのを防ぐ。
アダパレンは殺菌効果はないが、毛穴の詰まりを抑える。
11月には、2つを合わせた塗り薬が発売される。
抗生物質には殺菌作用があるが、使い続けると耐性菌が生じる危険がある。
新ガイドラインでは、基本的に3カ月までと定めた。
◇ ◇
赤ニキビが消えて症状が落ち着いてきたら、BPOまたはアダパレン、
あるいはその両方を1日1回、洗顔の後で肌全体に塗る。
赤ニキビを通り越して黄ニキビになってしまったら、治療の効果は限定的だ。
早めの対処で、悪化させないことが重要だ。
症状が落ち着いて赤ニキビが消えても、周囲には白ニキビや黒ニキビが残っている。
広い範囲に薬を塗ることでそれらを減らし、赤ニキビの再発を防ぐ。
アダパレンもBPOも、海外では数十年前から使われてきた実績がある。
藤田保健衛生大学の赤松浩彦教授は
「日本もやっと世界的な標準で治療ができるようになった」と話す。
ガイドラインでは日常のケアとして、1日2回の洗顔のほか、
面ぽうができにくいことが科学試験で確認されている
「ノンコメドジェニック」の化粧品を使うことを勧めている。
コメドとは面ぽうのことだ。
ニキビは、重症化しても病院を受診しない人が少なくない。
赤松教授は、「ニキビはとかく軽視されがちだが、
特に思春期は心のダメージが大きく、不登校になる例もある」と指摘する。
林部長は「早期に治療すれば、痕も残りにくい。
病院に来ることをためらわないでほしい」
と呼びかけている。