キプロスQ&A

キプロスQ&A 支援なければどうなる?
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130323/ecn1303231536001-n1.htm



 Q キプロスはなぜ危機に陥ったのか


 A ギリシャ危機で投資家が一部債権を強制的に削減され
キプロスの銀行が大きな損害を受けた。
政府は銀行に資本注入するための資金を用意できず
昨年6月、ユーロ圏に支援を要請した。
今月16日に銀行預金への課税を条件にした100億ユーロの支援で合意したが
キプロス国会は拒否。課税で見込んだ資金を確保する代替策が焦点となっている。


 Q 預金課税にはロシアも強く反発した


 A キプロスの銀行預金の総額は約680億ユーロ(約8兆円)で
外国人の保有額は3〜4割にのぼる。
大半はロシア人の高額預金とみられ
課税されればロシア人が大きな損害を受けるためだ。
キプロスは「租税回避地」(タックスヘイブン)的な存在でもあり
資金洗浄や脱税への活用が懸念されてきた。
ユーロ圏は、ロシア人の脱税マネーなどを税金で保護するわけにはいかず
応分の負担を求めようとしている。


 Q どうしてロシア人の預金が多いのか


 A キプロスは近年
非居住者の資金調達や運用に便利なオフショア金融センターとして発達。
法人税率を10%に抑えるなどした結果
オイルマネーなどで潤ったロシアの資金が流入したからだ。
キプロスはロシアに対し、既存融資25億ユーロの返済期間延長や
地中海の海底ガス田への投資などを通じた協力を求めている。


 Q 両国には文化・歴史的なつながりもある


 A ギリシャ人主体のキプロス
ロシアと同じ東方正教会の文化圏にあり、ロシアに親近感がある。
1960年に英国から独立後、冷戦下で旧ソ連とも関係を保ち
当時のマカリオス大統領は「地中海のカストロ」とも称された。
南北分断中のキプロスの再統合問題では
キプロスが反対する国連安保理決議案にロシアが拒否権を行使したこともある。


 Q ユーロ圏が支援しなければどうなる


 A キプロス政府は、沖合の天然ガス田から将来得られる収入の活用など
代替案を探る一方、ロシアからの支援も模索。
もし支援もなければ、債務不履行(デフォルト)やユーロ圏離脱の恐れも現実味を増す。



http://www.nikkei.com/money/features/29.aspx?g=DGXNASFZ1302M_14062012K11000