「日本版ISA」 新制度で何が変わるか

「日本版ISA」4つの疑問 新制度で何が変わるか http://www.nikkei.com/money/column/nkmoney_tokushu.aspx?g=DGXNASFK1702G_17042013000000


2014年1月から日本版ISA(少額投資非課税制度)が始まります。


◆Q1 日本版ISAって何ですか?
日本版ISA(少額投資非課税制度)は、
英国のISA(個人貯蓄口座)を参考にして作られた制度だ。
2013年中に株や投信の譲渡益や配当、分配金への10%の軽減税率が
終了して20%になるが、その緩和措置として2014年から導入される。
現在の枠組みでは、20歳以上の人が1人1口座持つことができ、
その口座を使って1年につき100万円まで投資ができる(詳細は下の図)。
株や投資信託(投信)の配当や値上がり益が最長10年間非課税となる。





金融庁の狙いは、
「20代30代でこれまで投資をしていなかった層をマーケットに呼び込み、
長期投資による資産形成の後押しをすること」(総務企画局政策課総合政策室)だ。


◆Q2 ISAの仕組みは?
20歳以上なら1人1口座持つことができ、
口座を開設した年に、新規で100万円を上限に投資することができる。
ただし、未使用枠は翌年以降に繰り越しできない。


非課税投資総額は100万円×5年間で500万円。
投資した金融商品(株や株式投信)の非課税期間は最長で5年間。
途中売却は自由だが、売却部分の枠を再利用して別の金融商品を購入することはできない。


非課税期間が終了した後でも、引き続き非課税口座で同じ商品を保有したい場合は、
翌年の100万円の枠を利用して継続保有することができる。



非課税口座で同じ金融商品を継続保有する仕組み


注意すべきは、日本版ISAの非課税口座以外から株や投信を移管できないこと。
また、非課税口座の損益とその他の口座の損益を通算できないことだ。


◆Q3 日本版ISAの活用法とは?
ここでは、コツコツ長期投資派と
個別銘柄への一括投資で大もうけを狙う派向けに、ISAの使い方を示したい。


まずはコツコツ長期投資派向けに、
フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻さんお勧めの活用方法(下の図)を紹介しよう。
例えば、初年度と2年目、3年目は、毎月4万円ずつ、年間48万円積み立てながら運用し、
4年目以降は、月3万円ずつ積み立てて運用する。





投資だから増えることも減ることもあるが、非課税期間が終わる5年目までに
作った資金(この場合は52万円)を、翌年から新たにできる非課税枠に持ち越し、
積み立てと併せてさらに運用を続ける。
この方法で、100万円になるまで非課税期間を持ち越しできる。


次に解説するのは、カブドットコム証券理事の臼田さんが勧める方法だ。
こちらはすでに投資をしたことがある人向けで、個別株一銘柄に投資するというもの(下の図)。
日本版ISAの非課税メリットを生かす「お楽しみ袋」として活用する例だ。





まずは自分でよく調べて、成長すると見込んだ企業の株式
(図ではバイオベンチャーを100万円分、購入し、非課税期間の5年間保有を続ける。
もし、買った株が大化けして300万円に増えれば、200万円の利益。
通常の口座で取引していたら譲渡益に20%課税されるが、
日本版ISAならその分(40万円)トクをする。


逆に株価が下落して半分の50万円になった場合は、
損益通算ができないため、損失を丸被りする。
勝っても負けても、税の影響を受けないこの方法、
投資経験豊富で運用資金に余裕がある人なら、楽しめそうだ。