マクロライド

笹嶋勝の「クスリの鉄則」

マクロライド系薬の特徴
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201207/525885.html


◆呼吸器科領域
びまん性汎細気管支炎(DPB)にEMの少量長期療法が行われます。
これは日本発の治療法で、1980年代に効果が判明しました。
それまで、DPBは非常に予後が悪い疾患でした。


COPDに対しても用いられます。
ライノウイルス感染で増加したムチン分泌を減少させ
RSウイルスやインフルエンザウイルスの感染抑制効果
さらに気道炎症抑制作用などがあり、COPDの増悪予防に用いられます。


◆耳鼻科領域
急性中耳炎や急性の副鼻腔炎に対しては
起因菌が耐性となっているため使用しませんが、慢性副鼻腔炎には用いられます。
起因菌の中でもセラチアや緑膿菌には抗菌力を示しませんがバイオフィルムの抑制
炎症性サイトカインの産生抑制などの作用があり、増殖を抑えます。
鼻粘膜の腫脹よりも鼻漏によく効果を示します。


常用量の半量を長期で用いられることが多く、3カ月を目安に用いられます。
この場合、AZMは用いられません。
小児の滲出性中耳炎には必要最低限の2カ月をメドとし
耐性菌の発生を誘導しないように長くても3カ月まで
れ以上は投与すべきではないとされています。


◆消化器科領域
ニューキノロン系薬かホスホマイシンが用いられることが多いですが
カンピロバクターニューキノロン耐性が増えているので
CAMなどのマクロライド系薬を用いることがあります。


泌尿器科領域
クラミジアには用いられます。
CAMは比較的尿中排泄率が高いです(約40%)が
大腸菌には抗菌作用を持たず、尿路感染症には用いられません。