肺がん

予後の悪いがんは、転移する前に見つけたい
昭和大学横浜市北部病院・呼吸器センター長 中島宏昭教授
http://ps.nikkei.co.jp/hlthpet/pet_05.html


肺がんは世界的に増加傾向にあります。
日本も例外ではなく、肺がんにかかる人も、肺がんで亡くなる人も増えています。
2003年の肺がんによる年間死亡者数は約5万7千人。
1993年からは肺がんは男性のがん死亡率の第1位となり
女性では胃がんに次いで第2位となっています。


たばこを多く吸う人ほど肺がんにかかりやすく
一般に「重喫煙者(1日の本数×喫煙年数=喫煙指数が600以上の人)」は
肺がんの「高危険群(リスクの高い人)」といわれています。


最近は、「比較的健康被害が少ない」との考えから
低タールのたばこを好む人が増えています。
たばこには4000種の化学物質が含まれ
そのうちの200種は発がん性物質だと言われています。
タールはそのうちのひとつに過ぎず、タールだけを抑えてもあまり意味がありません。
たばこを低タールのものに変える人が増えても
肺がんは一向に減っていないというのが現状です。


また、低タールのたばこの普及は、肺がんができる場所を大きく変化させました。
たばこに関連するがんは、肺の入り口の「肺門部」にできることが多かったのですが
最近は肺の奥の「肺野部」のがんが急増しています。
低タールのたばこは軽いので、ついつい深く吸い込む。
通常は煙の届きにくい肺野部にまで影響を与えているのではないでしょうか。