ネズミの楽園

環境が過酷であるほど、人は依存的になる 勝間和代
http://www.asahi.com/business/topics/katsuma/TKY201011140085.html



カナダの心理学者、ブルース・アレグザンダーは
「ネズミの楽園(Rat Park)」という実験を行いました。


ネズミを、理想的な環境で育てられたものと
ケージ(かご)に閉じ込めて育てられたものの二つのグループに分け
それぞれにモルヒネ入りの水を与えた場合、どちらが依存症になりやすいか調べました。


「ネズミの楽園」実験では
動物は、環境が過酷であればあるほど薬物依存になるという仮説を立てたのです。


この仮説は結果的に立証されました。
理想的環境で育てられたネズミはほとんどモルヒネに興味を示さなかったのに対し
閉じ込められた環境のネズミは簡単に中毒になりました。
また、理想的環境に置かれたネズミは、いったん中毒になっても
簡単にそこから抜け出せたのに、過酷な環境のネズミは依存から脱却できませんでした。


日本でも、大阪大学の幸福度調査で
たばこを吸う人は、統計的に不幸だと感じていることが明らかになりました。
これはたばこを吸うから不幸なのではなく、不幸だからたばこに頼ると言えるのかもしれません。


私自身も30歳過ぎまで、たばことお酒に依存していました。
それを断つことができたのは、ワークライフバランスを整え
かつ、人間関係を見直して、過重な労働やストレスから逃れたからだと
いまとなっては振り返ることができます。