エキセナチド

リリーは、エキセナチドの承認申請を行いました。
http://www.lilly.co.jp/CACHE/news_2009_22.cfm



エキセナチド(米国での製品名:Byetta®)は
世界初のGLP-1受容体アゴニストの2型糖尿病治療薬として2005年に米国で発売されて以来
現在までに世界60カ国以上で、100万人以上の患者様の治療に用いられています。


エキセナチドは体内の血糖値に応じて作用し
高血糖の時にのみ膵臓からのインスリン分泌を促進するため
インスリン治療に比べて低血糖発現率が低くなります。
エキセナチドは、1日2回投与で、経口糖尿病治療薬との併用で使用され
持続的な血糖コントロールと低い低血糖症発現率を達成し
体重減少をもたらすことが確認されています。


グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、ヒトの体内に存在する消化管ホルモンで
膵臓の他に胃、肝臓、脳に対しても作用して食後の血糖値を調整します。
エキセナチドは、体内に存在するGLP-1と同様に
GLP-1受容体に結合することでGLP-1作用を発揮するため
「GLP-1受容体アゴニスト」と称されます。


※「アゴニスト」とは
受容体に働いて、神経伝達物質 や ホルモン などと同様の作用を発現する作動薬。


経口薬だけでは血糖値を適切なレベルに保つことが困難で
合併症発症のリスクを抱えている2型糖尿病患者さんは非常に多いと言われています。
このような患者さんに、インスリン注射よりも簡便に血糖コントロールができる
新しい治療選択肢を提供することで、血糖コントロールの改善
ひいては将来の合併症予防にもつながると期待されます。


国内の臨床試験で、エキセナチドが
日本の糖尿病患者についても良好な血糖コントロールに導くこと
特に食後高血糖の改善をもたらすことや
体重コントロールに有益であることが証明されました。
安全性に問題はなく忍容性は良好でした。